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 「一体、何の報告書か。『真因(問題を引き起こす本当の原因)』に対する追究が甘く、これで再発防止につながるとは思えない」─。

 2021年2月16日に曙ブレーキ工業(以下、曙ブレーキ)が公表した品質データ偽装に関する報告書を、ものづくりに詳しいコンサルタント(以下、識者)はこう断じる。

 「現場の担当者に責任を押し付ける記述にも違和感を覚える。組織的な不正であることを隠しているのではないかと疑わざるを得ない」(識者)。

 曙ブレーキが、自動車用ブレーキで品質データ偽装問題を起こしていたと判明した。ディスクブレーキとドラムブレーキの両製品で、顧客である自動車メーカーと取り決めた検査を実施せず、品質データを偽装(図1)。社内に残っているデータ(残存データ)を遡ると、少なくとも01年1月から品質データ偽装に手を染め、以降19年11月までの18年10カ月にわたって曙ブレーキは不正を続けていたと分かった。納入先は、トヨタ自動車や日産自動車を含む10社の自動車メーカーだ。

図1 品質データ偽装が発覚した自動車用ブレーキ
図1 品質データ偽装が発覚した自動車用ブレーキ
上がディスクブレーキで、下がドラムブレーキ。(出所:曙ブレーキ工業)
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