全3782文字
PR

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2021年12月14日、電気自動車(EV)の世界販売目標や展開車種などの新EV戦略を発表した(図1、2)。「トヨタはEVに後ろ向き」「ハイブリッド車(HEV)にこだわって世界から孤立する」「エンジン関連のトヨタグループの雇用を守りたいだけだろう」などといった事実に反する従来のイメージを払拭するものだった。

図1 新EV戦略を発表する豊田社長
図1 新EV戦略を発表する豊田社長
報道陣の質問に対し、「今までのトヨタのEVには興味がなかったが、これからのEVには興味がある」などと語った。(出所:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]
図2 新EV戦略の骨子
図2 新EV戦略の骨子
EV強化に向けて4兆円をつぎ込み、2030年に年間350万台のEVの販売を目指す。一方で、HEVなど他の電動車にも4兆円を投じる点にも触れている。(出所:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 トヨタの手に掛かれば、EVなど簡単に造れる。事実、超小型EV「C+pod」を商品化し、中型SUV(多目的スポーツ車)タイプのEV「bZ4X」の詳細についても公表済みだった。EVのコア部品でもある駆動用モーターと2次電池(以下、電池)、インバーターを、車載用部品としてどこよりも多く実用化しているのは同社である。これは、1997年から積み上げてきたHEVの累計販売台数が1870万台(21年10月時点)に達しているためだ。さらに言えば、次世代電池として注目を集める全固体電池の技術でも特許でも、世界の先頭を走っているのはトヨタ(とパナソニック、東京工業大学連合)である。