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 中国DJIのシェアが高く、ハードウエアはコモディティー化したとの見方もあるマルチコプター型ドローン市場に、ソニーグループが挑戦状を叩きつけた。同社は2021年11月中旬、ドローンの第1弾として「Airpeak S1」を出荷した。同社の協力を得て行った分解を紹介する(図1)。

図1 分解されたAirpeak S1
図1 分解されたAirpeak S1
部品点数がさほど多くなく、シンプルな構造。高い性能を実現するために多くの部品を自社開発した。(写真:加藤 康)
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 Airpeak S1は、クリエーターがこれまでにない映像を撮影できる機体を目指し、高い運動性能を実現した。例えば、ホバリングの状態から速度80km/hに到達するまでの時間が3.5秒と、他社製品と比較して最も高い加速性能を誇る。さらに最大上昇・下降速度は7m/s・4m/s、最大角速度は180°/sなどと、上昇・下降、反転などのレスポンスも高い。

 GNSS(全球測位衛星システム)の電波が届かない屋内や橋の下でも安定的に飛行できる。このために多数のステレオカメラとセンサーを搭載し、自己位置・姿勢を高精度に推定するとともに周囲の空間をリアルタイムに認識する。

 開発は18年春に開始し、完成までに約3年を費やした。機体設計はもちろん、プロペラやモーター、各種センサーの情報を処理するプロセッサーなどを自社開発した。市販の部品では目標とする性能を実現できなかったためだ。