マグネシウム(Mg)ダイカスト製品を手掛ける東海理化が、環境負荷軽減の技術を確立しつつある。ライフサイクルアセスメント(LCA)*1を踏まえた二酸化炭素(CO2)排出量の低減を進めているのだ。その積極的な姿勢をトヨタ自動車も評価。優れた仕入れ先を表彰する「環境推進 優秀賞」を2022年3月に東海理化に贈った。東海理化はMgダイカストのCO2排出量をアルミダイカストと同程度に抑えることを狙う(図1)。
環境負荷の定量的な評価方法。生産から廃棄までの二酸化炭素(CO2)排出量を評価する活動。
Mg合金は、構造材として使える金属の中で最軽量とされる。質量当たりの強度(比強度)と剛性(比剛性)が高いため、肉厚が薄くても強度を保ち、曲げ剛性に優れる。この利点を生かし、東海理化は1980年代からMgダイカストによる自動車部品を造ってきた。最近は自動車分野以外の領域を開拓しつつある。
機械特性に優れるMgダイカストだが、カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)の観点では、CO2排出量が多いという課題がある。そこで、東海理化はCO2を削減する2つの技術を開発した。