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 国内鉄鋼大手がタッグを組んで水素製鉄の実現に向けた動きを加速させる。2022年6月15日、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の大手3社と金属系材料研究開発センター(JRCM)が、「水素製鉄コンソーシアム」の結成を発表した(図1)。製鉄に水素技術を導入する技術開発を進め、鉄鋼プロセスにおける二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指す。

図1 水素製鉄コンソーシアムのメンバー
図1 水素製鉄コンソーシアムのメンバー
日本製鉄副社長の佐藤直樹氏(左から2番目)が委員長を務める。(写真:水素製鉄コンソーシアム)
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 コンソーシアムの4者は人材や設備を共用して組織の枠を超えた協力体制を築き、[1]高炉を用いた水素還元、[2]水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元、の大きく2つの技術開発に取り組む。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション(GI)基金事業」の一環として2030年度までに1935億円が助成される。