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 家庭用エアコンを一気に約100万台増やす─。ダイキン工業が家庭用エアコンで強気の生産計画を打ち出した。2022年度に過去最高の年間生産台数である887万台を狙う。2021年度の789万台から98万台も増やす野心的な計画だ(図1)。インドや東南アジアを中心に旺盛な需要に応える。既存の工場の稼働率を高めることで対応する考えだ。

図1 家庭用エアコンの生産台数の推移
図1 家庭用エアコンの生産台数の推移
2022年度は880万台超えの過去最高の生産台数を目指す。(出所:日経ものづくり、イラスト:ダイキン工業)
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 この生産計画の前に立ち塞がるのが、半導体や部品・材料(以下、部材)不足の懸念である。スマートフォンやパソコン向けなど一部の半導体については需給の緩和が見られるという情報はあるものの、「本来持つべき在庫を確保できておらず、現実は逼迫状態にある。2023年前半までは(需給が)厳しいと見ている」(同社グローバル調達本部調達本部長の福田修二氏)。そのため、ダイキン工業は早めの部材確保に動いている。既に2022年5月に2023年向けの部材の手配に着手した。