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 カメラと半導体露光装置の2つの事業に依存した体制からの脱却を図ろうとしているニコン。2022年4月に発表した中期経営計画では、成長ドライバーの1つに「光加工機」を掲げた。

 同社の現在の主要事業は、カメラを主力とする「映像事業」と、半導体露光装置などを主力とする「精機事業」の2つ。両事業で全社収益の約73%を占める。しかし、映像事業は新型コロナウイルス感染症拡大によって大きな打撃を受けた。そもそもカメラ市場自体が縮小傾向にあり、同事業が新型コロナ禍前ほどの収益を回復するのは厳しいとみられる。そこで同社は、収益構造を改善すべく、培った技術資産を活用した新たな製品やサービスによる新事業開拓を進めている。

 その新事業の柱の1つとして同社が期待しているのが「光加工機」だ(図1)。光加工機とは同社の造語で、レーザーを使って金属部品の造形・切断・除去などさまざまな加工を施す、いわゆる金属アディティブ製造装置(3Dプリンター)である。

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(b)
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図1 ニコンの光加工機「LM 102A」
金属粉末を吹き付けながらレーザーを照射するDED方式の金属3Dプリンター。幅850×奥行き750×高さ1750mmとコンパクトながら、5軸制御による造形が可能(a)。チャンバー内の造形している様子を装置上部の画面でリアルタイムに確認できる(b)。(写真:日経ものづくり)