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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2022年9月1日、開発中の次期主力ロケット「H3」の開発状況に関する記者会見を開催(図1*1。H3初号機打ち上げ延期の原因になっていた第1段エンジン「LE-9」のターボポンプのタービンの振動について対処策を選定したと発表した(図2)。JAXA H3ロケットプロジェクトマネージャの岡田匡史氏は、「初号機打ち上げに向けた振動対策は完成したと考えている」と語った。

図1 H3ロケットの外観
図1 H3ロケットの外観
極低温点検で種子島宇宙センターの射点に姿を現した。2021年3月の撮影。(出所:JAXA)
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*1 H3は、現行のH-IIAロケットに代わる日本の次世代主力ロケットとして2014年度から開発を進められてきた。H-IIAの約半額の打ち上げコスト、世界標準以上に短い受注から打ち上げまでの期間、世界標準以上に静粛なペイロード環境などを目指している。
図2 H3第1段用LE-9エンジン
図2 H3第1段用LE-9エンジン
H3はLE-9エンジンを2基ないし3基使用する。(出所:JAXA)
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 2022年11月に種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)の射点設備で、LE-9エンジンをH3ロケットの機体に装備した状態での燃焼試験(CFT:Captive Firing Test)を実施。その結果を受けて初号機の打ち上げに進む。初号機打ち上げ時期はまだ確定していないが、「JAXAとしては2022年度中(2023年3月末まで)に打ち上げたい」(岡田氏)。