ニュースの深層
目次
-
20kWhの電池は「中途半端」、日産の軽EVにヒットの秘策あり
その名も「サクラ」─。日産自動車が2022年5月20日、新型軽電気自動車(EV)を本社(横浜市)で発表した。搭載した2次電池(以下、電池)の容量は20kWhで、満充電時の航続距離は約180km(WLTCモード)。価格は200万円を超えており、軽自動車としては高額だ。それでも、EVとしてはかなり思い…
-
崩れた「新生三菱電機」の筋書き、40年にわたる不正の謝罪でかすむ好決算
「顧客と株主をはじめとする社会の多くの皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしていることを深くおわび申し上げる」。2022年4月28日に行われた三菱電機の2022年3月期(2021年度)決算会見は、再び漆間(うるま)啓社長が頭を下げるところから始まった。FAシステムと空調機器が好調で、売上高は前年比…
-
トヨタ、豪州で「欠陥DPF」のなぜ 開発設計に詰めの甘さか
オーストラリア連邦裁判所は2022年4月7日(現地時間)、トヨタ自動車(以下、トヨタ)のディーゼルエンジンの部品であるDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)に対して「欠陥」を認める判決を出した。
-
アルコールで誤作動するCO2センサー、測定方式に問題ある格安品が流通
新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから2年余りが経過した。さまざまな感染症対策が登場し、街中のあちらこちらで非接触の体温計や二酸化炭素濃度測定器(CO2モニター)などを見かける。もちろん、対策は重要だ。ただ、こうした機器が表示する数値が正確でないとしたら、むしろ悪影響をもたらすのではないだろ…
-
MgダイカストのCO2削減技術 東海理化が開発、トヨタも高評価
マグネシウム(Mg)ダイカスト製品を手掛ける東海理化が、環境負荷軽減の技術を確立しつつある。ライフサイクルアセスメント(LCA)を踏まえた二酸化炭素(CO2)排出量の低減を進めているのだ。その積極的な姿勢をトヨタ自動車も評価。優れた仕入れ先を表彰する「環境推進 優秀賞」を2022年3月に東海理化に…
-
水面下で進む日本車のアルミ化、大物部品の砂型鋳造の需要急増
「アルミボディー」の検討が日本車でも進みつつある。アルミニウム合金の構造部品の砂型鋳造を手掛ける木村鋳造所(静岡県・清水町)は、「昨年(2021年)から自動車メーカーから先行開発段階における試作の需要が増えてきた」と語る。
-
プラスチック資源循環法が施行へ、バイオプラで買い負けする日本
2022年4月1日、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」がスタートした。一般には「使い捨てスプーンの有料化」といった表現で広まりつつあるが、実際には、製品の設計から廃棄までに関わるあらゆる主体にプラスチック資源循環などの取り組みを促す法律だ。製造業もこの法律…
-
核融合炉開発で日本にチャンス、京大発ベンチャーに世界が注目
核融合炉の開発速度が増している。特に日米欧中露などの国と地域による共同プロジェクト「ITER(国際熱核融合実験炉)」の運転開始が2025年に控えており、気候変動問題解決の一助になるのではないかと期待されている。この核融合の分野で高い技術力を保有し、世界の注目を集める日本企業が、京都大学発のスタート…
-
造形速度4倍の高速3Dプリンター、新機構の採用と可動部の軽量化が鍵
グーテンベルク(東京・大田)が2022年6月ごろに発売を予定している材料押出(MEX:Material EXtrusion)方式の3Dプリンター(アディティブ製造装置)「G-ZERO」。売りは、税別で100万円を切る価格ながら、「同等の造形エリアと価格帯の3Dプリンターに比べて、造形精度の設定が同…
-
電磁鋼板不足は怖くない? JFEが車載モーターコア向け純鉄粉
JFEスチールは、車載モーターのコア(鉄心)向け純鉄粉「電磁郎」(以下、新材料)を開発した。電磁鋼板では製造が難しい小型で複雑形状の鉄心を造れる。同社は主に、電気自動車(EV)など電動車両の補機モーターへの採用を目指す。
-
ウクライナ危機で相次ぐ事業停止、金属資源には価格高騰の懸念も
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、国内メーカーがロシア事業を相次ぎ停止している。トヨタ自動車やドイツMercedes-Benz Group(メルセデス・ベンツ)、米Ford Motor(フォード)、ドイツDaimler Truck(ダイムラートラック)などがロシアでの生産停止を発表した。
-
ハッカーに狙われたトヨタ、小島プレスへの攻撃で国内全工場停止
2022年3月1日、トヨタ自動車の国内全工場(14工場28ライン)が稼働停止した。取引先の部品メーカーである小島プレス工業(愛知県豊田市)のサーバーがサイバー攻撃を受けてダウンしたのだ。
-
ジヤトコ、電動アクスル市場へ参入 “虎の子”の遊星歯車技術で3割小型化
ジヤトコが電気自動車(EV)向け電動アクスル市場に参入する。図1は、日産自動車のEV初代「リーフ」に電動アクスルを組み込んだジヤトコによる試作車。同社は水面下で電動アクスルの開発を進めており、一部の自動車メーカーが評価中だ。
-
日本電産系、自動車部品をIoT化 レーザー加工で微細回路形成
日本電産マシンツール〔旧三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)〕が、3次元形状の物体表面に微細回路を形成するレーザー加工機を開発した。線幅約15μm、ピッチ約30μmで回路パターンを描ける。
-
ロボットの視覚・触覚を補う“第六感”、阪大小山助教が開発「近接覚センサー」
大阪大学基礎工学研究科システム創成専攻助教の小山佳祐氏は、同氏が開発した「近接覚センサー」などを軸にしたベンチャーを設立してロボットに応用する事業を開始する。ベンチャーは2年以内をめどに設立する計画。現在ロボットで多用される画像センサーや、圧力センサーなどでは検出が難しい接触や接近を検出する技術を…
-
世界初の無人運航小型旅客船で猿島へ 海の自動運転、主導権奪取に1歩
2022年1月11日、雨が降りしきる寒空の下、記者は東京湾に浮かぶ無人島・猿島に向かう船上にいた。「世界初」という小型の無人運航船の実証実験を取材するのが目的だ。
-
東レ、樹脂で難燃性未達のUL規格不正 問われる経営トップの責任
東レグループが、再び品質不正問題を抱えた。米国の安全規格であるUL規格に関する不正が発覚。同規格に適合していない樹脂製品を、東レが「10年以上」(同社)にわたって顧客に販売していたことが分かった。東洋紡と京セラ、三菱電機と広がったUL規格不正がさらに拡大したことになる。
-
MacBook Proを独自に分解調査、垣間見えた発熱の絶妙制御
日経クロステックは、米Apple(アップル)が2021年10月に発売した新型ノートパソコン「MacBook Pro」を分解し、専門家の立ち会いのもと、熱設計に関する分析を試みた。対象は、新型プロセッサー「M1 Max」を搭載した16インチモデル。見えてきたのは、きょう体表面からの自然空冷や冷却ファ…
-
ロボットラインからストレス計測まで、IIFESにみるDXを支える注目技術
『MONODZUKURIという「底力」を未来へ。』をスローガンに、自動化と計測の技術・情報展示会「IIFES 2022」(2022年1月26〜28日)が東京ビッグサイトで開催された。ロボットや計測・搬送技術など製造現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する注目の展示を紹介する。
-
トヨタが新EV戦略に込めた真意 350万台、30車種が示す前向き姿勢
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2021年12月14日、電気自動車(EV)の世界販売目標や展開車種などの新EV戦略を発表した。「トヨタはEVに後ろ向き」「ハイブリッド車(HEV)にこだわって世界から孤立する」「エンジン関連のトヨタグループの雇用を守りたいだけだろう」などといった事実に反する従来のイメ…