ニュースの深層
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リコールされたテスラの電気自動車 原因は民生用部品流用、独自調査で判明
米Tesla(テスラ)が電気自動車(EV)をリコールする。対象は、高級セダン「Model S(モデルS)」の2012~18年モデルと、高級SUV(多目的スポーツ車)「Model X(モデルX)」の16~18年モデルの計13万5000台弱だ。
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「電動アクスル1000万台全てさばく」、三菱の工作機械を買った日本電産の野望
電気自動車(EV)モーターの王者を狙う日本電産会長兼最高経営責任者(CEO)の永守重信氏が、また新たに「攻めの一手」を打った。歯車(ギア)を造る工作機械を開発する三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)を買収し、手中に収める。
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種子島で組み立てが始まったH3ロケット、機体構成を変えながら各種試験を実施
日本の次期基幹ロケット「H3ロケット」のコア機体が2021年1月31日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センター(鹿児島県南種子島町)に到着した。
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ブリヂストンサイクルの343万台リコール、実質88.6%完了でも終わりは見えず
ブリヂストンサイクル(埼玉県上尾市)が自転車リコールに苦しんでいる。同社が「一発二錠」搭載自転車343万台の無償部品交換を発表したのは2019年6月。20年11月末までの1年半を費やして約53万台を改修したが、それでも実施率は約15.4%である。リコール半年後の19年12月末の実施率約2.5%に比…
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“換気のダイキン”開発期間を3分の1に、コスト後回しで上位機モジュール導入
新型コロナ禍にありながら、ダイキン工業(以下、ダイキン)が気を吐いている。中間決算(2020年11月)までに2020年度(2021年3月期)通期の業績予想を三度(みたび)上方修正。新型コロナウイルス感染症への基本対策として換気機能付きの空調機が顧客に支持されているのだ。「換気ができる唯一の家庭用エ…
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日産が崩すボディー骨格の常識、新型ノートに「冷間」高張力鋼板
小型車のボディー骨格において、ホットスタンプ(高張力鋼板の熱間プレス材)の牙城が崩れた。日産自動車が新型「ノートe-POWER」のボディー骨格に高張力鋼板の冷間プレス材を適用したからだ。その1.5GPa級という引っ張り強さはホットスタンプ材と同等である。
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JALも出資、安全で静かな新“コンコルド”、CFRPやアディティブ製造で軽量低騒音に
英国とフランスが共同開発した超音速旅客機(SST)「コンコルド」の引退からおよそ17年。今、再びSSTが離陸する日が近づいている。取り組む企業の中で先行するのが、2014年創業の新興企業である米国Boom Technology(ブーム・テクノロジー)。小型試験機「XB-1」を20年10月にロールア…
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究極の手作業「きさげ」の真価、機械加工で不可能な高精度を可能に
先端に刃物を備えた棒状の工具(スクレーパーやきさげとも呼ばれる)を使って手作業で表面を高精度に仕上げる「きさげ加工」。
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EV時代に「どこで雇用を生むのですか」、電動化に注力し始めたマツダの戦略
藤原清志氏(マツダ副社長執行役員)
エンジンの印象が強いマツダが、電動化に力を注ぎ始めた。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の開発状況、欧州環境規制対策の実情、世界で加速し始めたカーボンニュートラル(炭素中立)化への考えについて、マツダ副社長執行役員の藤原清志氏に聞いた。(聞き手は清水直茂=日経クロステック)
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材料を変えるだけで効率が上がる、東芝がモーター向け新磁性材
東芝は、従来材料を置き換えるだけで鉄道車両向けモーターの効率を向上させる新しい磁性材料を試作した。「磁性くさび」と呼ばれる部品に使う。この磁性くさびを誘導モーター(IM:Induction Motor)に適用した場合、「永久磁石同期モーター(PMSM:Permanent Magnet Synchr…
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リコール必至か、JSSJのシートベルト問題、タカタ時代から20年以上のデータ改ざん
「取引が切れるなら、自動車メーカーはそうしたいはずだ。タカタ時代にエアバッグで1度大きな嘘(うそ)をつかれている。とても信用できない」(トヨタ自動車出身のある技術者)─。
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日産がアディティブ製造を本気で準備、電動化に対応する次世代の軽量化
日産自動車がアディティブ製造(Additive Manufacturing、3Dプリンティング)への取り組みを本格化させている。現時点では量販車の部品へアディティブ製造を適用しているわけではないが、研究部門と開発部門を中心に、近い将来の実用化を視野に入れた検討を積極的に進めている。その背景にあるの…
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「三菱スペースジェット」事業凍結の意味、飛行試験も量産準備も再開の見通し立たず
2020年10月30日、三菱重工業がオンラインで中期経営計画「2021事業計画(2021~2023年度)」を発表した。注目はもちろん、事前に「事業凍結」と報じられた小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ、以下スペースジェット)」事業の先行きである。
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社長自ら図面を引き、教科書も自作、開発期間3割減、富士ゼロの設計革新
富士ゼロックスが経営体質の強化を加速させている。2018年に代表取締役社長に就任した玉井光一氏の号令の下、設計革新に着手。開発期間短縮やコスト削減の効果が表れ始めた。社長となった今でも現場で図面を引く“玉井流”が、組織全体に浸透しつつある。
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トヨタ、利益目標を半期で達成、V字回復のホンダ、復調傾向も赤字の日産
トヨタとホンダは急回復、日産は復調傾向だが赤字から抜け出せず─。新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見えない中、2020年度上期(2020年4~9月)の大手自動車メーカーは明暗を分けた。
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ジグソーパズルで生産現場を効率化、ヤマハ発動機の「理論値生産」普及に一役
108ピースのジグソーパズル完成時間をいかに短縮するか─。この目標に業務として取り組んだのはヤマハ発動機の磐田南工場で船外機部品の加工を担う6人だ。試行錯誤しつつ手順を改善し、最終的に当初の98%減となる1分まで縮めた。
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プロジェクションとカメラで検査ミス防ぐ、ジヤトコ導入の“光る”システム
棚に並ぶ検査治具(ゲージ)の1つがスポットライトで浮かび上がる。作業者がそれを手に取り検査を実施、元に戻すと、スポットライトは次に使うゲージに移る―。ジヤトコは2020年9月、富士第一地区工場(静岡県富士市)のCVT(無段変速機)ケースの検査工程に、検査作業のミスや漏れを未然に防ぐ新システムを導入…
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主エンジンに亀裂発覚でH3ロケット1年延期、タービンは設計全面見直し
LE-9エンジン燃焼室の損傷に液体水素ターボポンプのタービン破損─。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2020年9月18日、「H3」ロケット初号機打ち上げ延期に関してオンラインで記者会見を開き、新開発のLE-9エンジンに発生したトラブルの詳細を説明した。
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実用化されていた国産4脚ロボット、福島第一原発で東芝が見た現実
4脚歩行型のロボット(以下、4脚ロボ)で米中企業が開発・販売競争を繰り広げている。4脚ロボの代表格である米Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が「Spot」の市販を始めた一方で、中国Unitree Robotics(ユニツリーロボティクス)が「Aliengo」「Unitree …
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「SDGsで儲ける」で先行する蘭DSM、 “社内炭素税”で実践準備
「それで、いくら儲(もう)かるんだ?」─。持続可能な開発目標(SDGs;エスディージーズ)への取り組みの必要性を説明する担当者に経営者がこう投げかける。心当たりがある企業は多いのではないだろうか。