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 アルメディオ(本社東京都日野市)は2018年8月24日、微細な炭素繊維をさまざまな樹脂に高濃度で分散させたマスターバッチの開発に成功したと発表した。微細な炭素繊維を濃厚に含有した素材で、実際に使用する際に基材と混合しても分散性は保たれる。

 炭素繊維を樹脂などに分散させる際の取り扱いが容易になり、成形品の細部も含め、炭素繊維を高濃度かつ均一に分散させられる。既に同年7月から一部メーカーへのサンプル出荷を開始しており、市場の反応を見つつ今後、本格的な量産化を進めていく。

液体、ペレット、プレートで提供

 炭素繊維の原糸を粉砕した粉末状のミルド(炭素繊維ミルド)は、機械的特性や導電性、熱伝導性などを高めるため、樹脂やゴムなどに添加する用途がある。炭素繊維ミルドで強化した樹脂やゴムは、スポーツ用品や自動車部品、建材、家電部品などで幅広く使われている。

* 耐熱性、防錆性、防食性の向上や帯電防止など効果もある。

 しかし、「従来の炭素繊維ミルドにはさまざまな課題があった」(同社)。具体的には、飛散による現場の環境汚染や人体への影響、凝集による分散不良、計量のしにくさや流動性の悪さなどである。すなわち、取り扱いが難しいと同時に、成形品の細部も含めて均一に炭素繊維を分散させにくかった。

 そこで同社は、炭素繊維ミルドをマスターバッチに成形する技術を開発。飛散のリスクを防ぐとともに、炭素繊維の含有量(濃度)を高めた。従来は「30質量%が限界だったが、80質量%まで高められる」(同社)。これにより、強度や導電性、熱伝導性といった目的の特性を向上し、しかも均一性を確保できる。

 マスターバッチは、射出成形などで一般的なペレット状だけでなく、塗料ベースに使うような液状や、プレート(板)状でも提供する(図1)。液状では原料容器内での偏析もなく、計量性にも優れる。「媒体となる樹脂や水、溶剤などに素早く拡散し、再凝集しない。ユーザーのコンパウンドやゾルなどとの馴染みもよく、必要な量も調整しやすい」(同社)。

液体
液体
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ペレット
ペレット
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プレート
プレート
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図1 炭素繊維を高密度で分散させたマスターバッチ
写真はいずれも、炭素繊維を70質量%含有させたマスターバッチ。液体は長さ0.6μmの炭素繊維と水性アクリルおよび溶剤、ペレットは長さ1μmの炭素繊維とポリプロピレン、プレートは長さ1μmの炭素繊維とエポキシ樹脂を混合したもの。最大で80質量%を実現できる。 (出所:アルメディオ)

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