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 自動車メーカーによる完成車の検査不正の発覚が止まらない。2018年9月26日には日産自動車が、同28日にはSUBARU(スバル)が、完成検査工程における新たな不正行為を公表した。両者は従来、無資格の完成検査員による検査や、測定値の改ざんなどが行われた燃費・排ガス検査については明らかにしていた。

日産は精密車両測定検査で不正

 日産グループで今回発覚したのは「精密車両測定検査」における不正だ。同検査は自動車の構造や装置、性能に関するもの。日産自動車の追浜工場、日産車体の湘南工場、日産車体九州、オートワークス京都の4工場において、13種類の検査項目で検査の無視や測定値の改ざん、捏造、試験条件の逸脱などの不正が見つかった()。

表 日産自動車で発覚した精密車両測定検査不正の例
表 日産自動車で発覚した精密車両測定検査不正の例
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 例えば、ブレーキ液残量警告灯の検査では、検査時にブレーキ液を抜く作業が面倒だとして追浜工場と日産車体湘南、オートワークス京都の3工場がこの検査を無視した。車外騒音の検査では、オートワークス京都が実際には検査を無視したのに、体裁を取り繕うために記録用紙にうその数値を記載していた。

 第三者(法律事務所)による調査報告書では、日産で燃費・排出ガス検査不正と精密車両測定検査不正が起きた原因について、「完成検査員の規範意識の鈍麻」や「現場管理の不在」など10点を指摘している*1。さらに、これらの原因の背景として、[1]技術力を高めた結果、その技術力を過信して完成検査軽視の風潮が生まれた可能性、[2]コスト構造の改善を追求した結果、生産性の優先を正当化するという規範意識の鈍麻やコンプライアンス軽視といった負の側面が生じた可能性、を指摘している。

*1 [1]完成検査員の規範意識の鈍麻、[2]現場管理の不在、[3]完成検査員に対する不十分な教育、[4]完成検査員の人員不足、[5]不十分な設備、[6]車両製造工場におけるコスト偏重の管理、[7]車両製造工場のマネジメント層による現場の把握不足、[8]不十分なコンプライアンス(法令順守)体制、[9]不合理な検査規格、[10]完成検査軽視の風潮。