全1946文字
PR

 日本工作機械工業会(日工会)の飯村幸生会長〔東芝機械会長、図1(a)〕は2020年1月10日に名古屋市内で講演し、1兆2000億円(前年比2.4%減)とする日工会の2020年工作機械受注予測の根拠と今年の見通しを解説した。ファクトリーオートメーション(FA)業界誌を発行するニュースダイジェスト社(名古屋市、以下ND社)も八角秀編集長〔図1(b)〕も1兆1000億円(同10.5%減)とする予測を公表した(図2)。

図1 日本工作機械工業会の飯村幸生会長(東芝機械会長、a)とニュースダイジェスト社の八角秀編集長(b)
図1 日本工作機械工業会の飯村幸生会長(東芝機械会長、a)とニュースダイジェスト社の八角秀編集長(b)
(写真:日経ものづくり)
[画像のクリックで拡大表示]
図2 日本工作機械工業会とニュースダイジェスト社それぞれの2020年工作機械受注予測
図2 日本工作機械工業会とニュースダイジェスト社それぞれの2020年工作機械受注予測
(公表数値を基に日経ものづくりが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 日工会は2020年1月15日に2019年工作機械受注額の速報値を発表*1。2019年12月の受注総額は前年比33.6%減の899億6900万円で、2018年10月以降15カ月連続で前年実績を下回った(図3)。2019年の受注総額の速報値は1兆2297億円、前年比32.3%減となる。

図3 過去19カ月の工作機械受注金額と前年同月比の推移
図3 過去19カ月の工作機械受注金額と前年同月比の推移
前年同月比(右軸)は2018年10月以降15カ月連続で減となった。(データの出所:日工会)
[画像のクリックで拡大表示]

*1  2019年の工作機械受注額の確定値は2020年1月30日に公表予定。

飯村氏「1兆2000億円は下限、より伸ばす」

 日工会の2020年予測1兆2000億円の内訳は内需4900億円、外需7100億円でいずれも前年から微減、ほぼ横ばいと見込む。飯村氏は、米中貿易摩擦を発端とする受注減のトレンドは2019年末で底を打ち、遅くとも2020年第3四半期には回復基調に入ると解説した。

 その根拠として挙げたのは、5G(第5世代移動通信システム)普及の本格化などによる半導体製造装置などへの投資増、米中貿易摩擦の雪解けムード、自動車業界のCASEやMaaS*2への投資拡大、少子高齢化が進む先進各国と人件費高騰が続く中国の底堅い自動化・省力化投資などである。

*2 CASEやMaaS
CASEはコネクテッド、自動運転、シェア&サービス、電動化の頭文字、MaaSは「モビリティー・アズ・ア・サービス」の略でいずれも次世代の自動車産業に向けた動きを指す。

 米中貿易摩擦の再激化などリスク要因はあるものの、中国の生産代替を担うアジア各国などから回復基調が始まるとの見方を示し、「受注額1兆2000億円は下限。もっと伸ばすよう工業会として努力したい」と締めくくった。