全1551文字
PR

 スカラ型(水平多関節)ロボットを主力としてきたヤマハ発動機が、協働ロボット市場に名乗りを上げた。産業用ロボット事業の規模と領域を拡大すべく、早稲田大学発のスタートアップ企業である東京ロボティクス(本社東京)に出資するとともに、両社の技術供与に関する契約を締結(図1)。単腕の垂直多関節型協働ロボットの開発を目指す。

図1 ヤマハ発動機の山田勝基氏(左)と東京ロボティクスの坂本義弘氏
図1 ヤマハ発動機の山田勝基氏(左)と東京ロボティクスの坂本義弘氏
(写真:日経ものづくり)
[画像のクリックで拡大表示]

まずは単腕の多関節型協働ロボを開発

 東京ロボティクスは、関節部に内蔵したトルクセンサーなどの情報を基にロボットアームの動きを制御する「力制御技術」に強みを持つ。同社代表取締役の坂本義弘氏は「ソフトウエアの制御で“柔らかな"作業ができる」と自信をみせる(図2)。

図2 東京ロボティクスの多関節型単腕協働ロボットのイメージ
図2 東京ロボティクスの多関節型単腕協働ロボットのイメージ
各関節のトルクセンサーの情報を基に動きを制御する「力制御技術」を特徴とする。外力が加わっても柔軟に対応できるという。(写真:東京ロボティクス)
[画像のクリックで拡大表示]

 坂本氏によれば、力制御を利用すると人の腕のような柔らかな動きを実現できる。一般にロボットが苦手とするケーブルのハンドリングや、部品のはめ込み、力加減が難しいバフ研磨、柔らかい食品の取り扱いなどが可能になるという。接触停止などの安全性の向上も期待できるとする。

 もともとヤマハ発動機は、スカラ型を中心に小型の産業用ロボットを得意としてきた(図3)。同社の持つ「高品質・低コストの量産化能力」(ヤマハ発動機)と、東京ロボティクスのロボット制御技術を融合させ、まずは産業用途で幅広い需要が見込める単腕の垂直多関節型の協働ロボットの製品化に取り組む。ただし製品投入時期については「近い将来」(ヤマハ発動機ロボティクス事業部FA統括部開発部長の山田勝基氏)として明言を避けた。

図3 ヤマハ発動機の産業用ロボット事業のラインアップ
図3 ヤマハ発動機の産業用ロボット事業のラインアップ
スカラ型を中核に、短軸型(電動スライダー)や直交型のロボットの他、リニアコンベアモジュールなどをラインアップしている。(資料:ヤマハ発動機、撮影:日経ものづくり)
[画像のクリックで拡大表示]