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 トヨタ自動車が2021年初頭にも建設を始める「スマートシティー」事業に向け、データ分野で他社連携や研究開発を強化している。2020年3月16日にはブロックチェーン技術を活用した4種類の実証実験を進めていると発表。続く24日には「スマートシティー」事業でNTTと手を組んだ(図1)。2018年から米国ラスベガス市でスマートシティーの開発に取り組むNTTと約2000億円を相互出資し、資本業務提携する。

図1 トヨタ自動車とNTTがスマートシティー事業で資本業務提携
図1 トヨタ自動車とNTTがスマートシティー事業で資本業務提携
トヨタ自動車社長の豊田章男氏(左)とNTT社長の澤田純氏が2020年3月24日に記者会見を開いた。(撮影:日経クロステック)
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 背景には個人情報を大量に囲い込む米グーグル(Google)など「GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)」ら巨大IT企業への対抗意識がある。トヨタは2021年初頭から「Woven City」(ウーブン・シティ)」と名付けたスマートシティーの建設を静岡県裾野市で始める。スマートシティー事業を巡っては、グーグル系をはじめとするIT企業が先行。トヨタ・NTT連合の成否は、これらIT企業勢の弱点を突けるかどうかにかかる。

「GAFA対抗という意識は大いにある」

 「“お国のために”という意志を持ち、未来を創造する技術力と人間力を持った民間企業が決起することが大切だ。(スマートシティーの)プラットフォームを作り、世界に対して日本の存在感を高めていく」─。

 2020年3月24日に開いた記者会見で、トヨタ社長の豊田章男氏はそう意気込みを語った。明言はしていないが念頭にあるのはグーグルだろう。豊田氏と並んで会見に臨んだNTT社長の澤田純氏は、「GAFA対抗という意識は大いにある」と断言した。

 スマートシティーとは、自動車や公共サービス、医療などでデータを軸に連携し、便利にする構想。トヨタ・NTT連合がスマートシティー事業でグーグルと競合するのが「都市OS」。都市のデータを収集・管理するプラットフォーム(基盤)である(図2)。

図2 トヨタ自動車とNTTが構築する「スマートシティプラットフォーム」
図2 トヨタ自動車とNTTが構築する「スマートシティプラットフォーム」
居住者の行動履歴や家電の利用状況、車両の位置情報など様々なデータを収集・蓄積する。(出所:トヨタ自動車・NTT)
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 グーグル陣営は2015年にサイドウォーク(Sidewalk Labs)を設立し、都市OSの構築を一足先に進める。IT業界の雄らしいスピード感だが、弱点も見えてきた。都市データの収集に野心を見せすぎて、プライバシー面で市民の強烈な反発を受けた。プロジェクトは当初の予定から遅れ、肝心のスマートシティーはまだ建設を始められていない。開発規模も縮小された。

 データの囲い込みに伴うプライバシーの問題はグーグルのアキレス腱になりつつある。スマートフォンからモビリティー、都市の再構築へと事業の軸を移すのに合わせて、公共性が格段に高まるためである。公共事業に近づくほど、人々の生活に密着する。プライバシー問題は、人権問題に直結する。