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 デンソーの欠陥燃料ポンプ問題が深刻化している。ホンダが2020年5月末に届け出た「シビック」や「CR-V」、「HR-V」、「NSX」など世界で137万台を数えるメガリコールの原因も、デンソー製欠陥燃料ポンプにあると関係者への取材で分かった(図1)。

図1 欠陥低圧燃料ポンプを搭載したリコール対象車
図1 欠陥低圧燃料ポンプを搭載したリコール対象車
シビック(左上)、CR-V(右上)、HR-V(左下)、NSX(右下)。(出所:ホンダ)
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 中国市場で77万5000台の、アジア市場(中国市場を除く)で35万9000台の、米国市場では16万4000台のホンダ車のユーザーに対策品への交換を強いる。これによって、既に判明している322万台のトヨタ車と20万2000台のSUBARU車と合わせて、デンソーの欠陥燃料ポンプは世界で479万台を超える大規模リコールへと拡大した。

 リコールとなったホンダ車が搭載していたのは、欠陥のある低圧燃料ポンプだった(図2)。樹脂製インペラ(羽根車)が変形し、ポンプケースと接触して作動不良となり、最悪の場合はエンストを招く可能性がある。

図2 ホンダ車のリコール原因となった欠陥低圧燃料ポンプ
図2 ホンダ車のリコール原因となった欠陥低圧燃料ポンプ
インペラがポンプケースに接触して燃料ポンプに作動不良が発生。最悪の場合、走行中にエンジンが停止する恐れがある。(出所:国土交通省)
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 材料や部品設計などの専門家によれば、ガラス繊維やタルク(ケイ酸マグネシウム)で強化したスーパーエンジニアリングプラスチックであるポリフェニレンスルフィド(PPS)でインペラを成形する際に、金型の温度が低すぎて結晶化度が低くなった。結果、PPSの内部に隙間が生じ、ここに燃料が侵入してインペラが膨潤した。これが品質不良のメカニズムだ。