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 「ボディー軽量化の重要性を見直す時期が来た」─。日産自動車副社長の坂本秀行氏は、2020年9月3日に開催したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製部品の量産技術に関する説明会でこのように述べ、世界の燃費規制に対応するため、量産車のボディーにCFRP製部品を適用するとした(図1)。

図1 日産自動車副社長の坂本秀行氏
図1 日産自動車副社長の坂本秀行氏
「世界の燃費規制に対応するため、ボディー軽量化の重要性を見直す時期が来た」という。(出所:日産自動車)
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 同社はこれまで、「GT-R NISMO」など一部の高級車のボディーに熱硬化性CFRP製部品を採用してきた*1。量産車については「鉄を使い切る」ことを基本にしてきたが、今後は熱硬化性CFRP製部品の採用車種を量産車に広げる。同CFRP製部品は、鉄製部品に比べて約50%の軽量化が可能だ。中でも大型車は小中型車より車両自体が重いため、同CFRPを使うことによる軽量化効果は大きい。

*1 CFRPには大きく分けて、マトリックス(母材)樹脂にエポキシ系樹脂などを使う熱硬化性CFRPと、母材樹脂にポリアミド(PA)樹脂などを使う熱可塑性CFRP(CFRTP)がある。ボディーへの採用では熱硬化性CFRPが先⾏しており、日産は従来同様、今回も同CFRPを使う。

 坂本氏は、「2024~2025年に発売する大型SUV(多目的スポーツ車)などの電動車両への適用を計画している」と明かす。センターピラーやフロントピラー、センタートンネルなど複雑形状の大型部品に熱硬化性CFRPを適用し、高張力鋼板やアルミニウム(AI)合金などと組み合わせた異種材料構成(マルチマテリアル)ボディーとする計画である(図2)。

図2 試作したCFRP製ボディー部品
図2 試作したCFRP製ボディー部品
左からセンタートンネル、フロントピラー、センターピラーの試作品。(出所:日産自動車)
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