全2096文字
PR

 東芝は2021年4月14日、代表執行役社長CEO(最高経営責任者)である車谷暢昭氏が同日付で辞任し、後任に現同社取締役会長である綱川智氏が就くと発表した。同日の緊急会見で同社指名委員会委員長の永山治氏は「本人から辞任の申し出があり、受理した」と辞任の経緯を語った(図1~3)。

図1 東芝代表執行役社長CEOを辞任する車谷暢昭氏
図1 東芝代表執行役社長CEOを辞任する車谷暢昭氏
三井住友フィナンシャルグループ副社長執行役員、投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズの日本法人であるシーヴィーシー・アジア・パシフィック・ジャパン会長兼共同代表を経て、18年に東芝代表執行役会長CEOに就任。1年前の20年4月に代表執行役社長CEOになったばかりだった。(撮影:加藤康)
[画像のクリックで拡大表示]
図2 東芝の新社長に就任した綱川智氏
図2 東芝の新社長に就任した綱川智氏
2016年6月に取締役・代表執行役社長、18年に取締役・代表執行役社長COOに就任。20年4月から取締役会長を務めていた。当面、会長と代表執行役社長CEOを兼任する。(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]
図3 東芝の指名委員会委員長の永山治氏
図3 東芝の指名委員会委員長の永山治氏
会見で社長交代について説明した。(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 会見に車谷氏は出席せず、「東証1部復帰で東芝再生ミッションが全て完了し、現在かなり達成感を感じている。3年の激務から離れて心身共に充電したい」とのコメントが紹介された。あくまでも本人の意思による辞任と、東芝は穏便に済ませたいようだ。

 だが、この公式コメントを、額面通りに受け取る人間は同社内には少ない。「もちろん、車谷氏は社長を辞めたくなかった」と、内情に詳しい同社社員は言う。ではなぜ、車谷氏は東芝の社長を辞めたのか。