三菱電機と三菱電機ビルソリューションズ(東京・荒川、以下三菱電機)の製品で電気用品安全法(電安法)違反が発覚した。対象は、ビル設備用コントローラー(図)。2012年12月~2022年5月に製造の3万1695台が対象となる。
電安法が定める「補助端子における雑音端子電圧試験(雑音端子電圧試験)」*1に違反した。電源や通信線など外部につながるケーブルを通じて周辺機器に影響を与える電磁波ノイズ(以下、ノイズ)の大きさを確認する試験だ。この試験が未実施だったのに加え、出荷済み製品の一部に、同試験の許容値を満たさないものが見つかった。にもかかわらず電安法準拠を示す「PSEマーク」を掲示していた。
対象機器と外部接続するケーブルの各端子で0.5265M~30MHzの周波数帯における雑音電圧レベルを測定し、それを74dB以下に抑えるように定めている。
違反は新製品の開発過程で発覚した。三菱電機が新製品に必要な試験内容を第三者機関に相談したところ、同試験が必要と分かった。ところが、同社はこの試験を従来製品では実施していなかった。三菱電機の関係者(以下、関係者)によれば、同社では製品に求められる法規などに基づいた試験の把握は、品質管理部門が担っている。同部門が雑音端子電圧試験の必要性を見逃した可能性があるという。
一方で、開発設計部門が「電安法の内容を都合良く解釈した可能性もある」(関係者)。同試験が定める許容値「74dB」という条件はかなり厳しく、「わざわざこの試験を実施する必要はないと判断したのかもしれない」(関係者)。