レポート
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「価格最優先」は昔の話、調達リスクの顕在化で価値観に変化
影響が長引く新型コロナウイルスや、ウクライナ危機などの地政学リスクが製造業従事者の価値観を変えている。キャディ(東京・台東)が2022年8月下旬に実施した調査からは、長年、多くのメーカーが心血を注いできた原価低減の優先度が下がっていると分かった。
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次の「一大市場」インドに懸けるダイキン、2025年に生産台数を2倍の270万台に
「インドは今、(空調機)需要の爆発が起きている」─。ダイキン工業がインド市場での成長を加速させる。2025年の売上高を1000億ルピー(約1700億円、1ルピー=1.7円換算)超と、2021年の2倍以上に引き上げる。
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随所にAI、OKIのDX旗艦工場が稼働 仮想空間で多拠点つないで統合管理
OKI(沖電気工業)は2022年7月6日、本格稼働を開始したOKI本庄工場H1棟(埼玉県本庄市)を報道機関向けに公開した。同社はH1棟を同年6月に公表したDX(デジタルトランスフォーメーション)新戦略のフラグシップ工場と位置付けており、人工知能(AI)やロボットを随所に採用した。
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日本製鉄のずさんな水質管理、総点検で基準超過シアン50件超発覚
基準を満たすまで測定を繰り返し、基準値超過でも無報告─。日本製鉄の東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市、以下、君津地区)で水質測定の不正が発覚した。原因究明中に、排水成分について測定値よりも低い値を報告していたと判明。
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「脱炭素での主導的位置を確立」、川崎重工が目指す水素への道
「今年度の最大の重点施策は、低炭素・脱炭素社会の実現に貢献する製品・サービスの提供だ」。川崎重工業が2022年8月12日に開いた2022年度第1四半期決算説明会で、同社副社長の山本克也氏はこう語った。
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表面の微小欠陥が鮮明に浮かび上がる、東芝が生産ライン向け光学検査技術
東芝は、ラインセンサーで製品表面の微小欠陥を検出する光学検査技術「OneShotBRDF」を開発した。ロールフィルムやコンベヤで搬送する薄物製品や円筒形製品など、生産ラインのインライン検査に向く。
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アシックスの3Dプリンター製サンダル、数式使って多彩なデザイン検討可能に
アシックスは3Dプリンターで造形したサンダル「ACTIBREEZE 3D SANDAL(アクティブリーズ・スリーディ・サンダル)」を開発した。数式化したルールに基づいて靴の構造を決める新しい設計手法を採用した。競技や練習を終えたアスリートが履く想定の製品で、身体が休まるように通気性やクッション性が…
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中少量生産向け金属3Dプリンター、丸紅情報システムズが国内で初披露
丸紅情報システムズ(東京・新宿)は米Desktop Metal(デスクトップメタル)の金属アディティブ製造(AM)装置(3Dプリンター)「Shop Pro」を「次世代3Dプリンタ展」(2022年6月22~24日、東京ビッグサイト)に出展した。国内での展示は初めて。平らに敷き詰めた金属粉にバインダー…
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製造業DX加速に賭けるDMG森精機、社内発のITベンチャーに100億円投資
DMG森精機は、2022年4月に設立したソフトウエア会社「WALC(ウォルク)」(東京・渋谷)へ、2030年までにおよそ100億円を投資する。ウォルクは、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するソフトやシステムの開発を手掛ける。「3年後に売り上げ5億円、10年後には100億円を目…
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「3Dプリンターのように操作できる」、岩間工業所が新切削加工機で再挑戦
岩間工業所(静岡市)はアディティブ製造装置(3Dプリンター)と同様の使い勝手で操作できる切削加工機「ALMODEL(アルモデル)」を開発した。3Dプリンターで3次元形状の表現に多用されるSTLデータを転送すれば、その後はほとんど操作せずにアルミニウム合金やプラスチックの切削加工品を得られる。
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牧野フライスが新型レーザー加工機、微細加工向けで半導体需要など狙う
牧野フライス製作所は、超短パルスレーザー加工機「LUMINIZER(ルミナイザー) LF400」を発売した。フェムト秒レーザーを採用し、μmオーダーの微小形状の加工に向く。半導体製造装置や医療機器分野などの部品加工を想定する。価格は装置構成で異なり、「1台当たり約1億円以上」(同社)。年間10台の…
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嘘にまみれた川重冷熱の38年間、データ改ざんに計測器の細工など
川崎重工業は2022年6月7日、子会社の川重冷熱工業(滋賀県草津市、以下、川重冷熱)が製造・販売する一部の吸収式冷凍機において、出荷前検査と顧客の立会検査でそれぞれ不正行為があったと発表した。
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三菱電機のビル設備品「電安法」違反、高くついたノイズ試験の見逃し
三菱電機と三菱電機ビルソリューションズ(東京・荒川、以下三菱電機)の製品で電気用品安全法(電安法)違反が発覚した。対象は、ビル設備用コントローラー。2012年12月~2022年5月に製造の3万1695台が対象となる。
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キャディ、図面活用のクラウドシステム 類似部品の発注実績からコスト把握
キャディ(東京・台東)は2022年6月22日、図面データを自動で登録でき、高度な検索ができるクラウドシステム「CADDi DRAWER」の提供を正式に開始したと発表した。同社は過去の類似図面を集めて原価を分析するなどの用途で、2021年9月から同社の受発注プラットフォーム「CADDi」の一部の顧客…
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異材接合の見えない剥がれを検出、島津が独自手法の探傷装置の新型
島津製作所は2022年6月9日、超音波光探傷装置「MIV-X」を発売した。部品内部の剥離、亀裂、空洞といった、表面から見えない異常を可視化できる。
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電磁波で樹脂を分解する小型装置、地域分散型ケミカルリサイクル目指す
「ケミカルリサイクルの“分散型モデル”の実現を目指す」─。マイクロ波化学(大阪府吹田市)は、電磁波でプラスチックを熱分解し、化学原料として再利用する技術「PlaWave」を「第10回 関西高機能素材Week」(2022年5月11~13日、インテックス大阪)に出展。
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電磁鋼板75%削減の電動アクスル 愛知製鋼、磁石技術を武器に30年量産へ
トヨタ自動車グループで鍛造品などを手掛ける愛知製鋼が、電気自動車(EV)の基幹部品である電動アクスルの開発を進めている。モーターを高速回転化し、減速比を高めることで、従来品に比べ体積、重量ともに4割小さくした。
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製品部門の言いなりだった検査部門、日本製鋼所M&Eで検査不正が発覚
日本製鋼所は2022年5月9日、グループ会社で素形材・エネルギー事業などを担う日本製鋼所M&E(北海道室蘭市、以下M&E社)で製品の一部に検査不正があったと発表した。
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ハスの葉を模倣しためっき技術 材質問わず超はっ水、400℃耐熱も
仲山貴金属鍍金(浜松市)は、ハス(ロータス)の葉が水をよくはじく性質「ロータス効果」を利用した、はっ水めっき技術を医療機器の展示会「Medtec Japan」(2022年4月20~22日、東京ビッグサイト)に出展した。
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帝人系、ポリエステル解重合に新触媒 再生に必要なエネルギーを4割削減
帝人子会社の帝人フロンティア(大阪市)は2022年5月18日、ポリエステル繊維を従来の6割の使用エネルギーで、石油由来と同等品質の原料にリサイクルできる新触媒を開発した。