特集2
目次
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H3ロケット再延期の真相
主エンジン「LE-9」が抱える振動問題
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2022年1月21日、21年度(22年1~3月)に予定していた次世代ロケット「H3」初号機の打ち上げを延期すると発表した。新規開発したエンジン「LE-9」のターボポンプで、振動問題が確認されたためだ。
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先進企業が語る、デジタル技術活用の現場
「製造業DXカンファレンス 2022」レポート
2022年1月26~28日、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実践している先進企業らが講演する「製造業DXカンファレンス 2022」(主催:日経BP、東京ビッグサイト)が開催され、日本製鉄や日産自動車ら8社・1団体が、デジタル技術による開発・生産現場の変革に向けた取り組みの実態を語…
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ヤマハ発「前代未聞」の2輪ホイール新工法
開発ストーリー
「こんな成分調整は前代未聞だ」―。社内でこういわれたバイク用軽量ホイールがついに量産に至った。手掛けたのはヤマハ発動機。2020年末に欧州で発売し、21年7月に国内投入した大型主力モデルの新型「MT-09」に初搭載。前後輪合わせて0.7kgの軽量化を実現した。アルミ合金の使用量も約1割削減し、脱炭…
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「ニッサンインテリジェント ファクトリー」の全貌
潜入!日産の知的工場
日産自動車が栃木工場(栃木県上三川町)に導入した「ニッサンインテリジェントファクトリー」は「明日の日産の飛躍の要になる」(同社執行役副社長で生産・SCM担当の坂本秀行氏)という工場だ。「変動強度への対応」と「クルマの複雑化/高度化」を実現する同社の最新生産技術を紹介する。
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三菱電機の品質不正、従業員が語る本音
「品質部門が褒められることはない。不良率が下がれば設計開発・製造部門が褒められ、不良率が上がれば品質部門が責められる」─。三菱電機の一連の品質不正に関する調査報告書が2021年10月1日に公開された。
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徹底分解、VWのEV「ID.3」
日経クロステックと日経BP総研の分解プロジェクトチームが、ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン)の電気自動車(EV)「ID.3」の分解調査に挑んだ。ID.3は、同社のEV専用プラットフォーム「MEB(Modular electric drive matrix)」を採用したEVの第1弾。
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製造業300社と現場3000人に聞いたDXの本音
日経BP総合研究所『製造業DX調査レポート』から
日本で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が市民権を得る何年も前から、製造業のデジタル化プロジェクトは始まっていた。2011年に始まった「インダストリー4.0」が目指すところも紛れもなくDXであり、製造業は最もDXが進んでいる業界と考えてもおかしくはない。
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炭素中立と5Gが形づくる、インダストリー4.0の新ステージ
ハノーバーメッセ報告
世界最大級の産業技術の展示会ハノーバーメッセは、2021年はデジタル版「HANNOVER MESSE 2021: Digital Edition」(21年4月12~16日)としての開催になった。10周年を迎えた「Industry 4.0」が、カーボンニュートラル(炭素中立)への意識の高まりや、5G…
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H3ロケット延期、主エンジンに予期せぬ亀裂
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2020年9月、「H3ロケット」試験機1号機の打ち上げ延期を発表した。開発中の主エンジン「LE-9」で発覚したトラブルが延期の理由だ。燃焼試験で、エンジン燃焼室壁面と液体水素ターボポンプのタービンの動翼に亀裂が発生した。JAXAの発表を基に、トラブルの原因と今後の…
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町工場が新型コロナでまさかの在宅ワーク
IoT溶接機使い職人が自宅で作業
職人に出勤させず、リモートでの作業に切り替えて生産活動を続ける町工場がある。東京・江戸川の溶接工場、クリエイティブ ワークスだ。代表の宮本卓氏は「溶接職人にリモートワークへ切り替えてもらった。現場作業のほとんどを自宅でやってもらっている」と話す。
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3Dプリンター活用最初の一歩、なぜ複雑形状が造れるのか?
製造装置として3Dプリンターを使う企業が増えてきている。従来にない複雑な形状を、少量品であっても低コストかつ短時間で造れるからだ。だだし、装置を購入すればすぐに実力を十分に発揮できわけではない。ユーザー側が3Dプリンターの本質を知っておくことは不可欠だ。切削加工や射出成形といった従来工法と使い分け…
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世界が認めた日立のIoT工場、大みか事業所を徹底解剖
世界経済フォーラム(WEF)により先進的工場「ライトハウス」に選定された日立製作所の大みか事業所。電力や鉄道、上下水道、鉄鋼といった社会インフラ向けを中心とした情報制御システムの開発、製造、運用保守を担う拠点だ。評価されたのは、多品種少量生産における高効率生産などを、IoT(Internet of…
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進む工作機械の自動化、産業用ロボットを簡単導入
「メカトロテック ジャパン 2019」リポート[1]
人手不足や人件費の高騰により生産現場の自動化ニーズは高まるばかり。工作機械の展示会「メカトロテック ジャパン 2019」(MECT2019、2019年10月23〜26日、ポートメッセなごや)では、そうした現場のニーズに応えるべく、主要メーカーがこぞってロボットや人工知能(AI)を活用した新機能をアピ…
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進む工作機械の自動化、AIで現場をもっと楽に
「メカトロテック ジャパン 2019」リポート[2]
ロボットと並んでMECTの会場で多くの来場者の目を引いていたのが、工作機械における人工知能(AI)の活用だ。AIによって、生産現場における作業者の負荷軽減や装置のダウンタイム削減、稼働率向上が期待できるからだ。近年、工作機械メーカーがAI導入を本格化させており、各社がデモンストレーションや技術展示…
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日欧工作機械大手、デジタルと自動化にまい進
欧州工作機械見本市「EMO2019」報告
2019年9月、ドイツ・ハノーバーで世界3大工作機械見本市の1つ欧州工作機械見本市「EMO HANNOVER 2019(通称EMOショー)」(2019年9月16〜21日、ハノーバー国際見本市会場)が開催された。2年に1度開催される同見本市。今年は世界中から12万人近くが訪れた。今年は、欧州や日本の…
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「不良ゼロ」目指す、三菱電機“霧ヶ峰”工場の挑戦
三菱電機・静岡製作所、潜入リポート
2019年に市場投入から52年目を迎えた三菱電機の家庭用エアコン「霧ヶ峰」。「エアコンの世界最長寿ブランド」としてギネス世界記録に認定されるほど、ブランドの認知度は高い。だが、それに甘んじず、同社は積極的な攻勢をかけている。霧ヶ峰を生産する静岡製作所に「空調技術棟」を新設して開発力を強化。生産ライン…
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大手電機メーカーがロボットSI、「生産ライン設計」の丸ごと請負狙う
これまで専門SI事業者の独壇場だった市場に大手電機メーカーが参入し始めた。「ロボットシステムインテグレーション(ロボットSI)」の市場である。産業用ロボット向けのシステム開発を担うロボットSIは、工場などへのロボット導入には欠かせない存在だ。ロボットには、所望の動作を登録する教示(ティーチング)や…
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非互換のFA機器間でもデータ交換可能にする「OPC UA」、 なぜ日本で普及しない?
「OPC UA(OPC Unified Architecture)」という産業ネットワークのデータ交換仕様をご存じだろうか。非営利団体のOPC Foundationが2008年に発表、その後「IEC62541」として国際標準化された。2015年にはIoT(Internet of Things)で製…
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クルマをサイバー攻撃から守る、国連WP29が認証制度構築へ
コネクテッドカーの普及に伴い、サイバー攻撃への懸念が高まっている。それに対応するため国際連合の下部組織「WP29」が、クルマのセキュリティーにかかる認証制度の国際的な枠組み作りを進めている。 自動車メーカーやサプライヤーは今後、WP29が定める規制に沿ったセキュリティー対策を求められるようになるだ…
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「カブを電池交換式EVで実現できていたら、ホンダの歴史に名を刻めたのに」
「カブを電気自動車(EV)に、それも電池交換式で実現できたら、ホンダの歴史に名を刻めたのに」─。悔し気な表情を浮かべて話すのは、本田技術研究所二輪R&Dセンター主任研究員の三ツ川誠氏(所属・肩書きは取材時のもの)。電池交換式EVスクーター「PCX ELECTRIC」の開発責任者だ。