事故は語る
目次
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ダイヤフラムの吸着で配管が閉塞、軌道投入に失敗したイプシロン6号機
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2022年10月に打ち上げた「イプシロン」ロケット6号機が軌道投入に失敗した原因を突き止めた。
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「0.1mmの金属粒」が招いたブレード破断、那覇発日本航空B777のエンジン事故
2020年12月4日、日本航空(JAL)のBoeing(ボーイング)777-200型機が那覇から東京国際空港(羽田空港)へ向けて上昇中、同機左側エンジンのファンブレードが破断した。元凶は製造時にファンブレードの内部表面に溶着したわずか約0.1mmの金属粒。これが起点となって生じた亀裂が定期検査でも…
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トヨタ渾身のEV「bZ4X」でリコール、脱輪懸念の裏にねじ締結の設計変更
トヨタ自動車が電気自動車(EV)「bZ4X」のリコールを届け出た。タイヤが脱落する恐れがあるという重大な欠陥が見つかったためだ。背景には、タイヤのホイールとハブを締結する方式の変更があった。走行性能を高めるべく選んだ方式だったが、それが裏目に出てしまった。
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トラック事故の訴訟が変わる、重要性増す安全への取り組み
トラック火災事故にも製造物責任(3)
広島県東広島市内で発生したトラックの火災事故をめぐる裁判で、大阪高裁は製造元であるいすゞ自動車の製造物責任を認め、トラックの所有者だった東和運送(大阪府寝屋川市)に車両や積み荷の損害など約9400万円の損害賠償金を支払うよう命じた。
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「使用者に欠陥の詳細を証明させるのは酷」、トラック火災で大阪高裁が初の判断
トラック火災事故にも製造物責任(2)
2012年7月にエンジンから出火して走行中のトラックが全焼した。トラックの所有者だった東和運送(大阪府寝屋川市)は、製造元のいすゞ自動車を相手取って、積み荷と車体の損害などに対し損害賠償金約1億円を請求。
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「トラックには欠陥があった」、いすゞに損害賠償金約1億円を請求
トラック火災事故にも製造物責任(1)
2021年4月、トラックの火災事故をめぐる裁判で、大阪高裁が製造元であるいすゞ自動車の製造物責任を認め、同社に約9400万円の損害賠償金を支払うよう命じた。今回から3回に分けて、この裁判における裁判所の製造物責任の判断を解説する。
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パナソニックのLEDスタンドで異常発熱、原因は集積回路の静電気破壊
2022年1月、パナソニックのLEDデスクスタンドが異常発熱して床を焦がすというトラブルが起こった。同年2月~3月の間に同じような異常発熱が他に3件あったという。
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ボルトの締め過ぎでシールド機が故障、7カ月中断した圏央道のトンネル工事
2021年7月、高速道路のトンネル工事中にシールド機が故障して掘進を停止した。現場は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の桂台トンネル(横浜市)。シールド機の製造時に締め過ぎたボルトが破断してギアに挟まったのが原因だった。
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パイプが破断し飽和水が漏洩、高温の流動砂との接触で水蒸気爆発
2021年4月、埼玉県日高市の太平洋セメント埼玉工場にある自家発電設備のボイラーが爆発した。この爆発によってボイラー本体とその架構、付帯設備が工場敷地周辺の広範囲に飛散。
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停車前後の新幹線が地震動で脱線、急がれる対向車両との衝突回避策
2022年3月16日に発生した福島沖を震源とする地震で、東北新幹線が停車中(あるいは停車直前)に脱線した。逸脱防止ガイドなどの脱線防止策も奏功しなかったようだ。しかも、車両の逸脱幅は約1000mmと、過去2番目の大きさだった。
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NECのGIGAスクール端末が発煙、熟練者不足の新ラインでねじ混入
小中学生に1人1台の端末を配布する「GIGAスクール構想」向けの端末が発煙・熱損する事故が発生した。これを受け、販売元のNECと製造したNECパーソナルコンピュータ(NECPC)は2022年2月4日、発煙した機種を含む5機種の約124万台を回収し、点検すると発表した。
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亜鉛粉末を扱う工場で粉じん爆発、着火源はファンの偏芯で生じた火花か
堺化学工業の湯本工場(福島県いわき市)で2021年5月11日、粉じん爆発が発生した。午前7時40分ごろ、従業員が亜鉛粉末の分級工程で分級ファンを起動した直後だった。
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長期使用のドアホンで火災事故、仕様にない赤リンが樹脂に含有
問題なく使えていた自宅のインターホン。ところが、7~9年たったある日、突然、発煙した─。パナソニックが製造・販売するインターホン「テレビドアホン」の室内側モニター親機(以下、親機)の発煙トラブルが2019年9月以降に相次いでいる。
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「想定外」の連続で警備ロボットが立ち往生、エレベーター乗客の進路をふさぐ
ビル内を警備する自律移動型のロボットが、オフィスビルのエレベーター扉前で立ち往生。乗客の進路をふさぐトラブルが発生した。エレベーターはロボット専用運転で本来はかご内に乗客はいないはずだった。
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半導体製造工場で92時間の火災、難燃材だったはずの装置きょう体に延焼か
2020年10月20日16時40分ごろ、旭化成のグループ会社で火災事故が発生した。事故が起こったのは、旭化成マイクロシステム(東京・渋谷)の生産センター第二製造部半導体工場(宮崎県延岡市)。5階建ての工場のうち3〜5階が焼損し、3、4階にあったクリーンルーム内の生産装置と付帯設備が焼け、生産が止ま…
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相次ぐEV火災で消火の難しさが顕在化、バッテリーを冷却できずに再燃する
電気自動車(EV)の火災事故が世界各地で相次いでいる。衝突事故に伴う炎上など原因はさまざまだが、共通するのが事故処理の難しさ。一度鎮火してもバッテリーの発熱によって再燃してしまうのだ。
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急拡大の介護ロボで事故発生、安全利用に向けた情報共有が急務に
高齢化社会で重要性が高まりつつも人手不足に悩まされている介護現場。その課題解決の一翼を担うのが介護ロボットだ。ところが、普及に伴い介護ロボットの事故も顕在化してきた。国内での発生件数は、年間100件程度と推定できる。実態調査から明らかになった事故やヒヤリハットの事例を解説する。
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飛行中のヘリコプターがエンジン停止で不時着、コンプレッサーブレードが腐食して破断
2019年6月19日、東邦航空(東京・江東)のヘリコプターが東京ヘリポートを離陸して神奈川県愛川町上空を飛行中、第1エンジン(左側)が停止。同町内の中津川河川敷に不時着した。国土交通省の運輸安全委員会による調査の結果、第1エンジンの破片がエンジンケースを貫通して損傷しているのが見つかった。
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イケア、バイオプラ食器回収の「真相」、知識不足が招いた破損事故
スウェーデンIKEA(イケア)は2021年5月、マグカップや皿などのプラスチック製食器を自主回収した。加熱によって破損するなどの事象が海外で100件ほど報告されたという。同社は耐熱性を持たせたポリ乳酸(PLA)だけを材料に使っていたと主張している。
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相次ぐ二酸化炭素消火設備の事故、東京・新宿のマンションで6人死傷
マンションやホテルの駐車場で二酸化炭素消火設備による事故が相次いでいる。直近では2021年4月に東京都新宿区のマンションで工事中の作業員6人が死傷した。消火設備から誤って放出された二酸化炭素が充満して事故に至った可能性がある。専門家は別の消火設備と交換していくべきだと主張している。