2022年1月、パナソニックのLEDデスクスタンドが異常発熱して床を焦がすというトラブルが起こった。同年2月~3月の間に同じような異常発熱が他に3件あったという。原因は静電気による集積回路(IC)の破壊とみられている。帯電したユーザーが金属めっき部分に触れた際、静電気が内部の回路基板に伝わってICを破壊した。
わずか3カ月の間に相次いで発生したLEDデスクスタンド(以下LEDスタンド)の不具合を受け、パナソニックは2022年5月16日に当該製品のリコールを発表した(図1)。ICが破壊に至ったメカニズムの詳細は後述するが、ある部品に施した金属めっき部分と内部の回路基板との距離に、ばらつきがあったという。この距離が近い場合に静電気への耐性が低くなることを、開発時の試験で見抜けなかった。