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リズミカルな会話に必須の3秒ルール

 設計審査(デザインレビュー)はどう行えばよいでしょうか─。これは当事務所にとって“ドル箱”のコンサルテーションです。設計審査に必要な審査対象物や準備期間、質問の要、承認と却下の判断基準などを指導します。しかし、ほぼ全てのクライアント企業が大きな壁にぶち当たります。それは「お通夜の設計審査会」、つまり沈黙の多い審査会です。

 設計審査とは、「Q&A(質問と回答)」の繰り返しです。質問側と回答側の歯車がかみ合って初めて円滑に進行していきます。堅苦しい審査であるはずなのに、相互に気持ちの良い感覚に浸ることができます。しかし、どちらか一方が「ダンマリ」を決め込めば、もうギクシャク感でいっぱいです。

 実は、多くの日本企業が「ギクシャク感でいっぱい」のパターンです。その原因は、コミュニケーションスキルにあります。さらに突き詰めると、「3秒ルール」の違反です。人と人の円滑な会話やコミュニケーションは、「3秒以内」にQ&Aが繰り返されて成立するものです。最近は「1秒以内」というクライアント企業も存在するほどです。せっかちですね。

 彼女(彼)いない歴32年の技術者の初デートなら、会話は「3秒ルール」を死守しましょう。

同意を得ながら業務を進行させる

 外資系企業に勤務する技術者から、以下の情報を得ました。米国では、企業との技術の打ち合わせ、および相互コンセンサスを取るための会議体を「WorkShop(ワークショップ)」と呼びます。この会議に出席した日本人が、米国人技術者からよく受ける注意は次の通りです。

・日本人技術者はコンセンサスを取ろうとしない。
・日本人技術者は身勝手な行動をとる。
・日本人技術者は、実はコンセンサスが取れない。
・日本人技術者は「No」と言いたくてもいつでも「Yes」と言う。
・日本人技術者は「Yes」と言ってもその後の行動が見られない。

 最近は、韓国や中国の技術者からも同じように指摘されています。

 このように言われてしまうのは、「英語ができないからだ」と思うかもしれませんが、語学の水準の低さが主な理由ではありません。最大の理由は、コンセンサスを取ろうとしない日本の社会とその慣習、教育の欠如なのです。

 コンセンサスとは「同意」のこと。昔の上司は「いいからオレに黙って付いてこい!」とか、「つべこべ言わずにさっさとやれ!」などと、部下に対して同意を得ずに、単なる命令で業務を進める人が多かった。最近はパワハラ(パワーハラスメント)など、人間社会でのルールが厳格になったことで、こうしたタイプの上司は、少なくとも技術系ではほぼ消えたように思います。

 彼女いない歴32年の技術者の初デートなら、PDPCで先手を打つことはお勧めですが、あまり強引に進めると相手もうんざりしてしまいます。やはり、コンセンサスが必要でしょう。

Web初出
設計マネージャーを目指す人の「國井設計塾」予備校
第4回「彼女いない歴32年」を克服しよう
國井良昌(くにい・よしまさ)
國井良昌(くにい・よしまさ) 1978年、横浜国立大学工学部機械工学科卒業。日立製作所および富士ゼロックスにて、高速レーザープリンターの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年、國井技術士設計事務所を設立。設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師として活動中。「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」(日刊工業新聞社)など、著書多数あり。