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設計コンサルタントとして多くの日本企業を指導する國井良昌氏が、若手技術者を対象に、将来設計マネージャーとして世界で戦うために必要な心得をQ&A形式で指南する。第12回のテーマは、「適正な開発ステップと設計ツールの採用」だ。自社の規模や方向性に合った適正な開発ステップや設計ツールを採用すれば、設計は改善される。

質問1

 文房具の製造販売をしている中小企業の従業員です。製造業における「開発ステップ」について質問があります。書籍やセミナーで、デザインレビュー(DR:設計審査)を「DR0、DR1、DR2、DR3、DR4」と何度も繰り返している事例を紹介しています。どの企業も、ここまでデザインレビューを繰り返す開発ステップを踏んでいるのでしょうか。不安になっています。

【回答】

 正直に言いましょう。私の事務所のクライアント企業は、どこもこれほど過大な開発ステップを踏んではいません。まずは安心してください。近年、書籍やセミナー、Web上の記事などで「開発ステップ」や「設計(開発)ツール」という言葉が目立ちます。いずれも「複雑」で「難解」です。今回は開発ステップや設計ツールに関する「誤解」について解説しましょう。

弁当工場に学ぶ理想的な開発ステップ

 ある自動車関連の中小企業を調査した結果、何度もデザインレビューを繰り返していると判明したケースがあります(図1)。これほど重厚な開発ステップを踏んでいるのに、製品の不良率は増加の一途をたどっていました。恐らく大企業が実践している大掛かりな開発ステップを真似したのでしょう。しかし、大企業の真似に終始しても、良い設計になるとは限らないのです。自社の規模や能力に合わない、不適正な開発ステップで自らの首を絞めていると言ってよい状況でした。

図1 現状に適合しない重厚な開発ステップ
図1 現状に適合しない重厚な開発ステップ
大企業で採用されることが多い「重厚」な開発ステップ。中小・零細企業がいたずらに真似をしても、良い設計を生むとは限らない。 (出所:國井技術士設計事務所)
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