新入社員や若手(入社3~5年程度)が持つ技術・技能の基礎力の低下を懸念する声は多い。アンケート結果でも6割程度が、「基礎力が失われてきていると思う」と答えた。一方で、そうした現場の懸念に対応すべく、基礎力を高める取り組みに力を入れている企業も多い。中でも、現場固有の加工技術や材料技術などに対する教育への要望が強い。技術やさまざまな条件を手軽に検討したり、実験では分からない物理現象を可視化したりできるといった利点への期待が大きい。活用シーンを広げるには使いこなせる人材の育成が課題となっている。(吉田 勝)
Q1 新入社員や若手が持っている、業務に必要な技術・技能の基礎知識は、10年前と比べて失われてきていると思うか
「大きく失われてきていると思う」(18.6%)、「やや失われてきていると思う」(40.0%)を合わせると、6割程度(58.6%)が「失われてきている」と回答。「失われてきているとは思わない」は全体の4分の1強(26.5%)だった。「むしろかつてよりも高いと思う」は7.3%にとどまる。新入社員や若手の基礎力低下に対する危機感は強い。