PR

ILTの最新成果を参加者に公開

 AKLの会期中、ILTは研究所の施設を参加者に公開。100を超える研究成果や実験設備のデモンストレーションなどを披露した。参加者は研究所内を自由に移動し、興味を引いた研究について、担当者から直接説明を受けたり、議論したりできた。訪問した他大学の研究者や民間企業の技術者にとっては貴重な機会となった。

 例えば、複合材のレーザーによる切断技術のデモ(図2)。ワークは、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)と炭素繊維強化樹脂(CFRP)を貼り合わせた帯状の部品の両端に、他の部品と接合するための金属部品を取り付けた部品。自動車のルーフ部を横断するように取り付けて車体剛性を高めるルーフクロスメンバーとして使う。デモではこの部品の側面部分をレーザーでトリミング加工する様子を見せていた。この技術は、実際にドイツの自動車メーカーのニーズに基づいて開発したものだ。

図2 レーザーによる複合材の切断
図2 レーザーによる複合材の切断
自動車のルーフに使われる複合材をトリム加工する装置(a)。炭素繊維強化樹脂(CFRP)とガラス繊維強化樹脂(GFRP)を張り合わせた帯状部品の両端に金属部品が圧着されている(b)。圧着の工程を経た後、帯状部品のサイド部分をレーザーでトリム加工する。
[画像のクリックで拡大表示]

 自動車のマルチマテリアル化が進む中、CFRPなどの複合材を効率よく低コストで加工したいというニーズは高い。CFRPを切断する場合は従来、ウォータージェットが使われる場合が多かった。レーザー加工も使えなくはないが、金属向けの従来品では、CFRPを切断した際に樹脂が溶けてしまい断面の品質が悪化する課題があった。今回開発した技術は、レーザーを何度も往復させながら少しずつ切断を進めて温度上昇を抑える手法を採用して課題を克服している。