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写真:フラウンホーファー研究機構
写真:フラウンホーファー研究機構

 フラウンホーファーの労働経済・組織研究所(IAO)は人間に関するテーマの研究に力を入れる研究所だ。シュトゥッツガルト大学の職業科学技術管理研究所(IAT)と協力関係にあり、「人と作業環境」「人と組織」「人とイノベーション」といった境界領域の研究テーマを取り扱う。同じシュトゥッツガルトにあるフラウンホーファーの生産技術・オートメーション研究所(IPA)が母体となり、1981年に設立された。

技術者の作業環境を技術で改善

 IAOでは製造業に限らず、都市計画や交通システムといったインフラ分野に関する研究も行っている。例えば、都市計画する際に、VR(仮想現実)を活用しながら建物や設備の配置・構造を事前検証するといった取り組みだ。施設やインフラを実際に利用する人の意見を幅広く、素早く取り入れる目的がある。

 技術者の作業環境を改善する研究テーマとする組織もある。「Virtual Technology Lab」だ。システム(コンピュータ)と人間のコミュニケーションをテーマに、2D/3D技術や照明技術を活用したインタラクティブな作業環境の研究を進めている。

 例えば、「ProTable」や「Extended Workdesk」と呼んでいる研究では、机の上にプロジェクターでコンピュータ画面を表示したり、手の位置を認識して入力したりできるシステムを開発(図1)。個人での作業だけでなく、会議の場でコミュニケーションする場合も含めてどのような表示方法や機能が必要なのかを探る。ドイツの大手自動車メーカーが「設計者の作業環境として採用することを検討している」(IAOのHead of Competence Team Visual TechnologyのMatthias Bues氏)という。

図1 「Virtual Technology Lab」で研究中のユーザーインターフェース
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図1 「Virtual Technology Lab」で研究中のユーザーインターフェース
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図1 「Virtual Technology Lab」で研究中のユーザーインターフェース
天井のプロジェクターからコンピューターの画面を机上に投影する。液晶ディスプレーと連動させたり、タッチパネルのような操作を実現したりできる。専用眼鏡を使えば3Dモデルの立体表示も可能だ。スペースの効率化とコミュニケーションの向上を図る。ドイツ内の自動車メーカーでの採用が検討されているという。