人と一緒に働ける協働ロボットの導入機運が高まっている。それを後押ししているのが利用実績を積んだ先進ユーザーやロボットシステムインテグレーターの存在。蓄積してきたノウハウを生かして、新規ユーザーの導入を促している。協働ロボットの新機種投入や既存製品の改良も進んでおり、現場に合ったロボットを選びやすくもなってきた。人手不足が深刻になる今、自動化を支える手段として注目を集める協働ロボットの実態を探る。

人手不足にキク!協働ロボット
目次
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先進企業とRSIのノウハウが導入後押し、新機種・新製品投入で広がる選択肢
Part1 総論
人手不足やそれに端を発する賃金上昇を背景に、各企業が生産現場の自動化を押し進めている。そんな中、活発化しているのが、人の隣で作業を担える協働ロボット活用の動きだ。注目される大きな理由として、専用の自動機よりも優れたスペース効率や、工程やワークの変更への柔軟な対応性などが挙げられる。
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「新人みたいに教えたい」「ワークの種類を認識して」――協働ロボットに対する現場・読者の声
Part 総論
複数の異なる形や強度のワークを認識して扱える機能が要る。ティーチングの煩雑さも解消すべき。ほか
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「協働ロボの活用ノウハウを共有し利用を広げたい」、7月に発足したRSI業界団体トップの意気込み
久保田 和雄(三明機工代表取締役社長/ FA・ロボットシステムインテグレータ協会会長)
7月に発足したRSI業界団体トップの意気込み
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市場拡大を見越して新機種続々、広がる導入と活用の幅
Part2 注目の新機種
協働ロボットの市場では、新規参入や新機種投入の動きが活発化している。Part1で述べたように、人手不足を背景に協働ロボットのニーズが高まり、市場が今後大きく拡大すると期待されているからだ。それに伴い、協働ロボットの性能や価格の幅も広がっている。選べる協働ロボットの選択肢が増えれば、今まで適用を諦め…
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グローリー、「うさぎ追い」で効率的に協働、 知見を武器にRSI事業へ進出
Part3 事例
両替機や釣り銭機といった通貨処理機の開発・製造を手掛けるグローリーは、協働ロボット利用の先進企業の1つだ。2010年から生産現場にカワダロボティクスの協働ロボット「NEXTAGE」の導入を始め、組み立てや検査、配膳といった工程で巧みに使いこなしている。例えば、釣り銭機の組立工程の自動化率は、約30…
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ジヤトコ、低価格ロボで部材供給を自動化、生産性向上見込めぬ用途で導入
Part3 事例
自動車部品メーカーのジヤトコ(本社静岡県富士市)は、安価な協働ロボットを使った自動化に挑もうとしている。利用するのは、中国Shenzhen Yuejiang Technologyの「DobotMagician」。4軸で可搬質量500gと性能は限られるが、設置面積が約160mm四方と小さく、何より1…
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コネクテッドロボティクス、たこ焼きロボに見る使いこなし術
Part3 事例
また一人、来園客がロボットのいるたこ焼き屋を興味深そうな顔で覗きこんだ─。2018年7月20日、ハウステンボス内のさまざまな店舗が並ぶ一角に、ロボットがたこ焼きを焼く変わった店「OctoChef」がオープンした。ここでは、デンマークに本社をおくユニバーサルロボットの協働ロボット「UR5」が働いてい…
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「導入している」が2割に――協働ロボット活用の実態調査
Part4 数字で見る現場
法改正を機に近年ますます注目を集めている協働ロボット。前回2017年3〜4月に引き続き、同じ設問を交えつつ2018年8月に協働ロボットの活用に関する調査を再び実施した。導入企業は徐々に増えており、その導入目的は作業者の負担軽減や現場の省人化、人手不足対応といったものが多い。人材確保に苦悩する生産現…