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 臨海工場 新1号工場(以下、新工場)のまっすぐに伸びる生産ライン(組み立てライン)のすぐ脇に、工場の幹部や各工程の管理者らがいつでも集まれるガラス張りの部屋「工場IoTプロジェクトセンター」がある(図1)。部屋の頭上には、左右に合計6枚の大きなディスプレーがズラリと並ぶ。工場内のさまざまなデータをリアルタイムで「見える化」しているのだ。

図1 組み立てラインのすぐ脇に設置した「工場IoTプロジェクトセンター」
図1 組み立てラインのすぐ脇に設置した「工場IoTプロジェクトセンター」
工場内のあらゆる情報を見られる司令室となっている。
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見える化のための専用ルーム

 進捗の遅れや不良の発生といった異常は全て、ここから監視できる。さらに生産ラインとデータのやり取りができる工場のコントロールセンターでもある。まさに新工場の心臓部だ。

 同社堺製作所役員待遇空調生産本部副本部長兼生産技術部長の長谷川功氏は、工場IoTプロジェクトセンターを「新工場のコックピットルーム」と表現する。20年以上前から提唱されてきたコックピットシステムの概念が、IoTの登場でついに現実になった。

 工場IoTプロジェクトセンターという見える化のための専用ルームを設けたのは、世界でも新工場が初めてだ。工場IoTプラットフォーム(別掲記事参照)を推進するテクノロジー・イノベーションセンターグループリーダー主席技師の高山正範氏は「集めたデータをどのように現場担当者に見せ、いかに分析して、現場改革やマスカスタマイズ生産につなげていくか。データの見える化や分析アプリの開発・利用については、新工場が世界の『マザー』となっていく」と解説する。

 この部屋の成果を工場IoTプラットフォームと共に、世界中の生産拠点に広げていく。工場IoTプラットフォームは2025年3月までに、グローバルに90拠点あるダイキン工業の全生産拠点をつなぐ巨大なITインフラになる予定だ。これにより、モノ(製品)と情報(販売や生産、物流)をIoTで一体化。マスカスタマイズ生産を全世界に展開して競争力を高めていく。