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使いこなすのが難しいのではないか─。そうした印象が強い5軸加工だが、取り組んだ企業は異口同音に「やってみたら案外使える。導入効果は大きい」と語る。では、5軸加工機を導入した企業がどう使っているのか、どんな恩恵があるのか。その実態をみてみる。

 5軸加工への取り組みが宇宙産業への進出の足掛かりになった─。山口精機(本社群馬県富岡市)は、2013年に初打ち上げに成功した小型人工衛星用固体燃料ロケット「イプシロン」の開発で初号機から部品製造に携わった。現在開発が進んでいる5号機まで全ての部品製造に関わっている。

 代表取締役社長の山口和之氏は、「イプシロンの部品製造は5軸加工機導入の代表的な成果。こうした実績が認められてエアバス系をはじめとする航空機部品の仕事も増えた」と胸を張る。

3軸の2倍稼いでいる

 同社はもともと自動車部品加工を主としていた。今でも加工案件の4割ほどはトラック用部品。残り6割を乗用車向けと建機、産業機械、宇宙・防衛・航空機向けで4分している。

 最初に5軸MCを導入したのは2006年ごろ。複雑な形状をしたガスタービン用のインジェクター部品の加工を受注すべく、横型5軸MCを導入した。2010年ごろからは5軸機を徐々に増やし、直近では2億円を投じてオークマの5軸MCを3台まとめて導入した(図7)。

図7 山口精機の工場
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図7 山口精機の工場
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図7 山口精機の工場
オークマの5軸複合加工機と5軸MCなど7台の5軸機が稼働する。

 積極的な5軸機への投資は、「仕事が増えてきた」(山口氏)からだ。5軸MCで加工するワークは単価の高い試作品が多く、機械当たりでみると「3軸MCの2倍くらい稼いでいる」(同氏)。