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 私は中国駐在を続ける中で、中国人は日本の製品やブランドが大好きで、それらは憧れの的になっていると感じました(図1)。品質的に安心だからという理由が最も大きいですが、それだけでなく、品質とはさほど関係がない安価なキャラクターグッズも大変な人気があります。一方、そのような現実があるにもかかわらず、中国に駐在している日本人の中にはそれ(中国人に人気がある日本製品)とはかけ離れた存在の人がいる、とも思っています。

図1 日本の製品が好きな人が中国には多い
図1 日本の製品が好きな人が中国には多い
(イラスト:闇雲)
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ものづくりの日本優位はいつまで続くのか

 日本は長い間、ものづくりに関しては中国に対して優位に立ってきました。中国の部品メーカーはこれまで、日本メーカーと仕事がしたい故に、必ず日本語通訳を用意してくれていました。今でも優位にある製品や技術は多くありますが、近年では負けている分野も出始めています。果たしていつまで中国の企業が日本語通訳を用意してくれるのか。日本人と一緒に仕事をするメリットを中国人が感じなくなってきているのではないか、と私は思っています。

 世界で第1言語もしくは第2言語として英語を話せる人口は8.5億人と言われていますが、中国語を話せる人は10.5億人と言われています。語学力にはレベルの差もあるので、この数値はあくまで目安ですが、私たち日本人が中国語で仕事をせざるを得ない将来がきてもおかしくはない気がします。

 日本の輸出総額の74%は製品や部品です(化学製品は含まれていません)。これらの製品や部品を造る日本の製造業としては、組立メーカー・部品メーカー・設計メーカーの3つがあります。しかし、組立メーカーの仕事や、いわゆる町工場と言われている部品メーカーの多くの仕事も中国をはじめとした海外へと流出しました。そして残っているのは、設計メーカーだけになってしまったのです。

 組立メーカーと部品メーカーが中国やアジア圏にあるため、日本の設計メーカーの設計者をはじめとする技術者は、それらの国々の人たちと一緒に仕事をせざるを得ないのが現状です。そうした中で、中国やアジア圏でトップを走り続ける技術者であるためには、技術以外においても一目置かれる日本人でなければならないのです。

 以下では、日本人が一目置かれる存在になるために乗り越えなければならない3つのハードルをお伝えしたいと思います。