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 切削加工、すなわち切粉(切りくず)が出ることが特徴の加工方法のうち、円筒などの「丸形状」に削る旋盤加工を前回(2020年6月号)で紹介しました。今回は、表面が複数の平面の組み合わせで構成された形状「角形状」を主に削るフライス加工を紹介します。「フライス」は、複数の切れ刃を持った工具全般を意味します。このフライスを使って加工する工作機械をフライス盤といいます。

 フライス加工では、旋盤加工(工作物を回転させて工具に当てる)とは異なり、工具を回転させて工作物に当てます。工作物を前後・左右・上下に動かすなど、工具と工作物の相対位置を変えて角形状に削ります。

フライス加工でできること

 では、フライス加工でどのような加工ができるのかを、「外形の平面加工」「側面の加工」「溝・スリットの加工」「穴あけ加工」「曲面加工」に分けて見ていきましょう(図1)。

図1 フライス加工の事例
図1 フライス加工の事例
回転する工具を工作物(ワーク)に押し付けて切削加工する。工具を回転させ、ワークを移動させて削っていく。(出所:西村仁)
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(1)外形の平面加工
 工作物の表面を広く平面に削る加工です。後述する正面フライスと呼ぶ工具で切削していきます。

(2)側面の加工
 エンドミルと呼ぶ工具で、側面や段付形状に加工します。

(3)溝・スリットの加工
 キー溝やスリットといった溝形状やポケット形状に加工します。

(4)穴あけ加工
 旋盤やボール盤と同じようにフライス盤でも穴加工できます。

(5)曲面加工
 複雑な曲面形状の加工は、後述するNCフライス盤や、マシニングセンターを使って加工します。