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 前回(2022年11月号)は製造原価の算出方法の事例を紹介しましたので、今回はこの製造原価の活用方法を説明します。さらに、原価を最小化する「効率」について見ていきます。

製造原価と販管費と利益

 ものづくりの出費の総額となる「総原価」は、「製造原価」「販売費」「一般管理費」の3つの合計額になります(図1)。前回は、ものづくり現場での費用である製造原価が製品1個当たりについていくらになるかを算出しました。

図1 販管費と製造原価
図1 販管費と製造原価
販売費と一般管理費(両方合わせて販管費)を製品1個当たりについて算出するのは容易ではないが、算出すれば業務内容の改善や効率の向上に広い範囲で活用できる。(出所:西村 仁)
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 一方、販売費と一般管理費(両方を合わせて販管費という)を製品1個当たりについて算出することは容易ではありません。実績データの取得すら困難だからです。

 そこで簡便法としては、自社の損益計算書(1年間や半年間、四半期の収支の報告書)から、製造原価と販管費の「比率」を読み取ります。この比率を製造原価に掛けて販管費を算出します。

 例えば、損益計算書の製造原価と販管費の比率が7:3だったとします。この場合「製造原価×(30%÷70%)」が販管費になり、これより以下のように売価や利益を算出できます。

売価=製造原価+販管費+利益
利益=売価-(製造原価+販管費)