
所在地 | 滋賀県草津市 |
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延べ床面積 | 8250m2 |
稼働開始時期 | 2008年4月 |
生産品目 | 家庭用燃料電池 |
生産数量 | 5万台/年 2018年にモーションセンサー システム試験導入 |
所在地 | 兵庫県神戸市 |
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延べ床面積 | 2万7000m2 |
稼働開始時期 | 1991年8月にパソコン生産開始 |
生産品目 | ノートパソコン、タブレット端末 2019年に協働ロボット導入 |
パナソニックは、各カンパニーがそれぞれ独自にスマート化の取り組みを展開。画像認識による人の作業のチェックや、協働ロボットを活用した省人化、IoTによる工場データの一元管理などを進めている。
その1つが家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」の燃料電池を生産するアプライアンス(AP)社の草津工場。同工場C17棟の1階で燃料電池スタック、3階で燃料処理機および本体を生産している(図1)。「1000点近い部品を人手で組み付けるが、改善活動とIoT(Internet of Things)の活用で工程能力を高めている」(草津工場長の高田泰治氏)のが特徴だ。1日130~150台、年間およそ5万台を生産する。
手作業の改善をIoTで支援
1階のスタック生産ラインではまず、厚さ15μmほどの高分子膜に触媒を塗布したり、ガス拡散層(GDL)を貼り合わせたりして膜電極接合体(MEA)を製造。次に、これをモジュールとして組み立ててスタックに仕上げる。わずかな異物の混入が性能低下を招くため、組み立ておよび検査は、クラス1万のクリーンルームで行っている*1。
*1 最後に漏れ検査(リーク検査)やエージング、圧損検査といった工程を経て完成となる。
触媒の塗布と検査の工程は自動化しているが、その他の工程はほぼ人手による作業。「複雑な作業が多いため、もっぱら手作業で生産している。割れやすいMEAを効率的に造れるように改善活動に力をいれている」(高田氏)。
改善活動の加速に一役買っているのが、人の動きをデータ化する自社開発のモーションセンサー・システムだ。映像から人の骨格の動きを検出して、作業者の動作を認識。そのデータから、標準的な動作や作業時間かどうか、人間工学的に疲労度の高い作業になっていないかなどを自動で分析する(図2)。
撮影した作業領域を数十のエリア(ウインドウ)に分割し、作業者がはめた白い手袋を認識して、それがどのタイミングでどのウインドウにあるかを検出する手法も採用している。適用しているのはスタックの組立工程。手順が正しいか、作業スピードに異常がないかなどをチェックするという。「人によるものづくりの確実な実行に力を入れている」(同氏)*2。
*2 モーションセンサー・システムは既に実証試験を終えており、今後本格導入する予定。