
所在地 | 山形県鶴岡市 |
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延べ床面積 | 16526m2 |
敷地面積 | 24400m2 |
従業員数 | 約150人 |
稼働開始 | 2017年 |
生産品目 | 薄膜コイル部品 |
所在地 | 秋田県にかほ市 |
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延べ床面積 | 15375m2 |
敷地面積 | 50000m2 |
従業員数 | 約270人 |
稼働開始 | 2016年 |
生産品目 | フェライト材料、フェライトコア部品 |
「工程改善を積み重ね、最適化した最終形態として自動化した。高い品質のフェライトコア*1を製造する現時点での究極の姿」とTDK稲倉工場東サイト(秋田県にかほ市)工場長の須田和博氏が胸を張るのが、2017年4月に稼働した「DSS(Direct Sintering System)」と呼ぶ自動化ラインだ(図1)。鳥海工場(にかほ市)から設備を移した稲倉工場東サイトの主力製品は、フェライトコアだ。その製造の全工程をわずか5mとコンパクトに凝縮した。
*1 フェライトコア 磁性体フェライトを固めた電子部品。銅線を巻き付けるなどして電源回路用のインダクター(コイル)部品やノイズ対策部品にする。(出所:TDK)
原料のフェライト顆粒を投入すると、プレス成形、バリ取り、焼結の工程を経て約3~10mmの小型品をリードタイム約4.5時間で造る。同時に、各工程は各種センサーで常時監視し、データを蓄積・分析して、稼働条件を最適化する改良は進行中だ。「データ分析からチョコ停の原因などを特定して1つひとつ取り除き、稼働率をどんどん上げている」(TDK電子部品ビジネスカンパニーマグネティクスビジネスグループ生産技術部 部長の佐藤貞樹氏)。
自動車の電装部品などで使われる薄膜コイル(インダクター)部品*2を製造する鶴岡東工場(山形県鶴岡市)。その1階フロアで1台のロボットがケースから薄膜コイルの材料となる金属基板を取り出し、次のめっき工程用の透明アクリルトレーに載せる作業を黙々とこなす(図2)。2018年10月に稼働したこのロボットは従来、人手に頼っていた作業を自動化したものだ。ただしその目的は単なる省力化ではない。
*2 薄膜コイル(インダクター)部品 電流が流れる配線をめっき工程で形成する。小さいが大電流が流せるため、自動車電装部品の電装回路向けなどで採用が増えている。(出所:TDK)