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「商品企画と並行して原価も検討する『原価企画』で利益は確実に確保できる」。豊田エンジニアリング代表取締役(元トヨタ自動車)の堀切俊雄氏はこう言い切る。「原価企画」とは何か。どのような過程を踏むのか。「日経クロステック ラーニング」で「事例中心で学ぶトヨタ流原価企画と原価管理」の講座を持つ堀切氏に聞いた。(聞き手は高市清治)

「原価企画」とは何ですか。

堀切俊雄 氏
堀切俊雄 氏
豊田エンジニアリング 代表取締役
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堀切氏:商品企画の時点であらかじめ原価を検討して見積もる仕組みです。新車を企画するとしたら、価格はいくら、原価はいくら、だから利益はいくらだと想定する。このプロセスをトヨタ自動車では、「原価企画」と称して確立していました。商品企画の検討段階で正確に原価を見積もるなんて当たり前と感じるかもしれませんが、そのような企業は多くはありません。

 「原価」とは一般的に、製品を造る際に必要な原材料費や設備償却費、労務費、販管費などの総額。クルマでは仕様や材料、ボディーの構造、エンジンの容量、販売ターゲットに合わせた宣伝費などで決まります。ざっくり言うと、価格から利益を引いた金額と言っていいでしょう。つまり原価が決まれば利益も決まるわけです。逆に原価が分からないと利益も分かりません。つまり原価が分からないと本来なら商品企画はできないはずなのです。

 ところが多くの企業で商品企画部門が先立って商品企画を独立して決めます。設計や製造、宣伝はその後に検討します。つまり原価は、商品企画が決まった後に固めていくのです。ですから、設計・開発部門が設計したり、購買部が実際に部品を仕入れたりした段階で部品・部材の原価が分かって、原価が高すぎると判明するケースが珍しくありません。

 その段階で原価低減のために仕様や部品・部材を変えようとすると、商品企画そのものを変更せざるを得なくなります。1%、2%の調整ならできるかもしれませんが、5~10%の原価低減なんてできるものではありません。「手戻りが増える」というレベルではなく、商品企画の根本的な見直しになります。もしくは、造って売ったはいいが利益が出ないということになりかねません。企業としてあってはならない事態です。