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隠れた実力派中小のものづくり企業を訪ねる本連載。第4回は、金属加工の技術を軸に、製品開発支援や試作・製造事業を手掛ける浜野製作所(本社東京)を訪ねた。ものづくり系のベンチャー企業やスタートアップの支援などでも知られる同社の考えなどを聞いた。

■ 企業概要
浜野製作所
創業1978年9月
従業員数53人
事業内容装置・機械の設計開発、架台・きょう体の設計・製作、精密板金加工など
資本金2000万円

 2018年に創業50周年を迎えた浜野製作所(本社東京)は、金型製造やプレス加工、多品種少量の板金部品加工を手掛ける工場だ。同時に、ものづくりベンチャーを支援する施設「Garage Sumida」の展開などでその名を知られている。取引先は4800社に及び、2018年には経済産業省の「ものづくり日本大賞」の「経済産業大臣賞」を受賞した他、天皇陛下(現上皇)もご見学されるなど、近年大きな注目を集めている。

 そんな同社を率いるのが浜野慶一氏。真っ赤なユニホーム姿が目を引く。その第一印象は「明るくエネルギッシュ」に尽きる。筆者らは経営者という仕事柄多くの人に会うが、同氏は特に記憶に残る人物だ。

ベンチャー支援で上流工程を取り込む

 浜野製作所の名を一躍知らしめたのが、2014年に始めたGarage Sumidaである。3Dプリンターやレーザー加工機、NC工作機械などの各種製造設備を備え、設計や製造の現場を知る技術者や職人らが、ベンチャー企業やスタートアップ企業の製品開発・製造を支援する。同社の持つ多種多様な業種・業界のネットワークを生かして、新しい技術や製品・サービスの創出も手伝う。実験工房かつマーケティング的な側面も持つインキュベーション施設といえる(図1)。

図1 Garage Sumida
図1 Garage Sumida
ベンチャー企業と膝詰めで議論するのが日常風景となっている。(出所:浜野製作所)
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 東京は人件費や土地代が高く、設備の稼働時間が短いといったデメリットがある一方で、ベンチャー企業やその関連情報など「高度な情報が集積する」というメリットがある。そのメリットを最大限生かし、ベンチャー企業のさまざまな要望にスピーディーに答えて試作品や製品を造るのがGarage Sumidaだ。

 従来、町工場は、[1]設計・開発、[2]試作・検証、[3]量産加工、[4]組込・組み立て・検証というものづくりのプロセスにおいて、[3]量産加工にしか関与してこなかった。これに対してGarage Sumidaの狙いは、上流の[1]設計・開発や[2]試作・検証も取り込んで下請け体質から脱却することだ。そのために自らの技術を見える化し、それを必要としている人に届ける。金属加工にどういう技術を足して付加価値を高めるか、というテーマに対する浜野製作所の1つの答えといえる。