
複雑形状の部品を単品であっても短納期、低コストで造れる可能性があるAM(アディティブ・マニュファクチャリング)/3Dプリンティングが、ものづくりの在り方を大きく変える技術として注目を集めている。これまでそのメリットを生かせる用途は一部の分野に限られていた。しかし、AM技術の進化と活用ノウハウの蓄積が進み、製造手段としてAMを使うのが当たり前になりつつある。
複雑形状の部品を単品であっても短納期、低コストで造れる可能性があるAM(アディティブ・マニュファクチャリング)/3Dプリンティングが、ものづくりの在り方を大きく変える技術として注目を集めている。これまでそのメリットを生かせる用途は一部の分野に限られていた。しかし、AM技術の進化と活用ノウハウの蓄積が進み、製造手段としてAMを使うのが当たり前になりつつある。
Part1 総論
3Dプリンターの産業利用が広がってきている。それは試作品を造る手段としてではなく、顧客に販売する製品の製造を目的とした利用だ。従来は部品単価が高い航空宇宙分野や医療分野などが主役だったが、ここにきて自動車や鉄道などの輸送機器、一般消費者向けの製品などでの活用例も増えている。
Part2 事例 フラウンホーファー研究機構
AM(アディティブ・マニュファクチャリング)/3Dプリンティングの産業利用で先行するドイツ。具体的な用途を想定したAM活用の研究開発を産官学が連携して進めている。その中心となるのが欧州最大の応用研究機関であるドイツ・フラウンホーファー研究機構(以下フラウンホーファー)である。
Part2 事例 パナソニック
AM(アディティブ・マニュファクチャリング)/3Dプリンティングの産業利用が遅れているといわれる日本でもAM先進企業は存在する。その1社がパナソニックのライフソリューションズ社だ。
Part3 技術と応用
米EREと米GEアディティブが共同で開発した「HRE3D+」。電子ビームを使う粉末床溶融結合方式のAM装置で造形した。形状自由度が高まり、鍛造時よりも廃棄物の量を80%削減できた。後加工の時間も5時間から15分に短縮している。
Part3 技術と応用
ニコンが2019年4月に発売した指向性エネルギー体積法(LMD)の金属AM装置「Lasermeister 100A」。光学系やノズルなどを独自開発し、装置本体の小型化/軽量化と低価格化(税別で3000万円)を実現した。