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東莞工場
法人名三和盛電子制品(東莞)有限公司
所在地広東省東莞市鳳崗鎮
設立2004年12月
延べ床面積3万m2
従業員4677人
生産品目車載機器、産業機械用機器

 EMS(電子機器製造サービス)のユー・エム・シー・エレクトロニクス東莞工場〔三和盛電子制品(東莞)有限公司〕は、同社のマザー工場として、生産技術を開発・改良して自らに適用するとともに、日本国内を含めた他の工場に生産技術を展開する役割を担う*1。電気自動車(EV)用の充電器、DC/DCコンバーターをはじめとする車載機器を手掛け、顧客の自動車部品メーカーと製品開発の初期段階から共同で工程を設計し、生産設備を整える。これまで多様な製品の生産を担った経験から、顧客の要望に合わせて多様な工程と設備を提案できるのが強みだ。

*1 日本国内の工場は、本社工場(埼玉県上尾市)、上尾工場(同)、宮崎工場(宮崎県都城市)、佐賀工場(佐賀県神埼市)の他、日立製作所の出資を受けたUMC・Hエレクトロニクスの秦野工場(神奈川県秦野市)、郡山工場(福島県郡山市)がある。海外は、中国の東莞工場と橋頭工場(東莞市橋頭鎮)、ベトナム工場(ハイズン省)、タイ工場(チャチュンサオ県)、メキシコ工場(ハリスコ州ラゴスデモレノ市)がある。

 その強みを追求する中で、同社は自動装置やAGV(自動搬送車)、治工具、からくりを応用してワークを扱う装置、部品トレーなどを自ら設計、製造する取り組みを推進。ムダをなくした低コストのラインを構築し、進化させてきた。同社はこれをLCA(ローコスト・オートメーション)と呼んでいる。

低コスト自動化設備を自ら設計、製造

 同社製造本部生産技術センター室長で中国区域副董事長の王洪忠(ワン・ホンツォン)氏は「市販品の生産設備のみでラインを構成するのでは、過剰な機能が付いてしまう。それでいて、使いやすくしたりエラー時に対応したりするための『お守り機能』を加える。これでは償却負担が重くなって、顧客の要望を十分に満たせないと考えた」という。必要な機能のみに絞って操作を容易にしたLCA設備を自ら造るのはそのためだ。

 プリント回路基板(PCB)の製造ラインでいえば、表面実装機やリフロー炉は専業メーカー製品を使うが、その間の基板搬送、自動光学検査(AOI:Automated Optical Inspection)、基板の通電検査、放熱シート貼り付け、手差し部品に対する局所的なはんだ付けといった作業にはLCA設備を利用する(図1)。例えば基板実装ラインでは、片面の実装を終えたあと、もう一方の面の実装をすぐ始めるために、基板を裏返す自動装置を製作。片面を実装した状態の仕掛品を滞留させずに、両面を一気に実装できる。「仕掛かり品を保管するスペースや搬送する作業がなくなり、作業者が手を基板に直接触れる機会もなくなるため、不良発生の原因も減る」〔執行董事(工場長)の李美兰(リ・メイラン)氏〕。

図1 UMCエレクトロニクス東莞工場のPCB実装ライン
図1 UMCエレクトロニクス東莞工場のPCB実装ライン
自社開発した自動機が並ぶ。マウンター、リフロー炉など専門メーカーから購入した設備以外は自社で開発、製作している。(写真:UMCエレクトロニクス)
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 充電器の組み立てラインでは、上中下に分かれたケースにそれぞれ部品を組み付け、相互に組み立てる作業を自動化(図2)。下ケースに中ケースを組み付ける装置はロボットを利用する。流れてきた下ケースを撮影して確認、ロボットで中ケースを持ち上げて下から撮影して確認、位置を合わせて中ケースを下ケースの上に置く、という一連の作業を実行する。組み立てをはじめとしてねじ締め、グリス塗布などの作業もLCA設備で実行する。

図2 充電器の組み立て自動化ライン(模型)
図2 充電器の組み立て自動化ライン(模型)
UMCエレクトロニクスが説明用に作成した模型で、実ラインを忠実に再現している。全体は「ユ」の字を180度回転させたような配置。右奥のライン[下]が下ケースへの部品組み付け、左奥の[中]が中ケースへの組み付けで、両者を合体させた状態で作業者の頭上のレールを通して手前のラインに移し、上ケースを組み付けて完成させる。(写真:日経ものづくり)
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