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タイ工場
法人名NECプラットフォームズタイ
所在地タイ・パトゥムターニー県、ナワナコーン工業団地
稼働開始2017年11月(新工場)
延べ床面積2万9305m2
従業員数1011人(2019年3月末時点)
生産品目ネットワーク製品、映像デバイス製品、車載製品など

 NECプラットフォームズ(本社東京)の生産関連会社であるNECプラットフォームズタイ(以下、NECPFタイ工場)。同工場では、オフィス用の電話機などのネットワーク製品、ビジネス用プロジェクターなどの映像デバイス製品、ECU(電子制御装置)やデジタルタコグラフなどの車載製品を主に生産する(図1*1。これらに加えて受託生産も手掛けており、出荷する製品の種類は800点を超えるという*2

ネットワーク製品
ネットワーク製品
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映像デバイス製品
映像デバイス製品
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車載製品
車載製品
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図1 NECプラットフォームズタイで生産する主な製品
電話機などのネットワーク製品、液晶プロジェクターなどの映像デバイス製品、ECUなどの車載製品などを生産する。(写真:日経ものづくり)

*1 ネットワーク製品は1988年の設立時から生産しており、プロジェクターは2014年に生産を開始した。プロジェクターは以前、中国工場でも造っていたが、現在は中国市場向け以外は全てタイ工場に移管している。

*2 受託製品としては電話機やスキャナー、プリンター用の基板、オペレーションパネルなどがある。

 2000年ごろにトヨタグループのコンサルタントに入ってもらい「TPS(トヨタ生産方式)」をベースに改善を進めてきた。この生産革新に加えて近年、力を入れているのがIoT(Internet of Things)やロボットによる自動化などのデジタル革新である。「生産効率を高めてスペースや人員の余裕を新規事業に回していく」(NECプラットフォームズタイ社長の藤田浩宣氏)という方針だ。

建屋を1つに集約し分散ロス削減

 NECPFタイ工場は、2017年11月に新工場の本格稼働を開始した。延べ床面積が約3万m2と既存工場から30%増加(図2)。従来は2つに分かれていた建屋を1つにまとめて、人やモノの移動効率などを高めた。従来の第2工場の建屋はオフィス棟として活用しつつ、製造棟を新設した形だ。

図2 NECプラットフォームズタイの新工場のフロア構成
図2 NECプラットフォームズタイの新工場のフロア構成
製造棟を新築し、複数に分かれていた各製品の工程を集約した。樹脂部品の射出成形は既存工場の建屋(オフィス棟)を使用している。クリーンルームを新設し、精密機器の組み立て工程に活用している。クリーンルームと部品ストアの間の搬送にはAGVを使う。(AGVとクリーンルームの写真:NECプラットフォームズ、それ以外日経ものづくり)
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 新工場では、クリーンルームを新たに設置。車載機器や光学デバイスなどに求められる品質の生産を実現するためだ。クリーンルームは1階と2階にあり、1階では基板への電子部品の実装、2階では製品の組み立てを行う。電話機などの組み立てスペースは3階にある。なお、電話機の筐体(きょうたい)などの樹脂部品を成形するエリアはオフィス棟に設けた。

 クリーンルーム内の組み立て工程への部品供給では基本的にAGV(無人搬送車)を使う。部品を搬送した後、空になったトレーを運ぶ役割も担う。AGVでもクリーンルーム内に入る際にはエアシャワーを浴びる必要があるが、人が入室する際には着替えも必要になるなど、どうしても時間が長くなる。AGVは人が入るよりも短い時間で出入りできる。

 AGVの採用では、低コストにこだわった。動作する基本部分は市販品を採用しつつ、部品を載せる台座などの周辺部は内製して簡素化した。こうして低コスト化した分、導入台数を増やせる。「廉価版をサプライヤーと共同開発することも検討している」(藤田氏)という。なお、自律走行機能などは使わず、磁気テープで搬送経路を決める。ルーム内の生産ラインでレイアウト変更があっても、磁気テープであれば張り直すだけで対応しやすい。

 クリーンルーム以外の新しい設備としては、生産エリア入り口の各所に顔認証システムを導入し、セキュリティーを強化した。太陽光発電システムやICTによる空調/照明の制御なども導入している。