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 高身長を誇るブラジルや米国といった世界トップレベルへの対応力を鍛え、アタック決定率を高めたい─。この要望に応えるべく開発されたのが、バレーボールの日本代表チームが練習で使っているロボット「ブロックマシン」だ(図1)。

図1 ブロックマシン
図1 ブロックマシン
バレーボールのブロックを再現するロボット。ネット前に設置して使う。写真はブロックする前の状態。斜め上方に飛び出す2本の腕を備えた3台の走行モジュールが、コート幅と同じ長さ(9m)のレール上を走行する。(写真:日本バレーボール協会「JVA2019-12-010」)
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 斜め上方に伸ばした2本の腕を持つ3台の走行ユニットが、ネット前を高速で左右に移動。腕が伸び上がってブロック体勢を取る。幅9mのコートのどこに、どのタイミングで、どの高さのブロックを出すかは自由自在。世界最高レベルとされる男子ブラジルチーム並みの高さ3.2mのブロックも再現可能だ。

反復練習でアタック率向上を

 日本代表チームのバレーボール・アナリストとして同マシンを使った練習を主導してきた渡辺啓太氏(日本スポーツアナリスト協会代表理事)は、「リアリティーを追求し、実際の選手の腕の弾力・反発係数なども考慮して造ってもらった。背の高い敵役がいなくても、ブロックマシンで反復練習できる」と、同マシンの効果を評価する。

 疲れ知らずのブロックマシンなら、正確に同じ動作を何度でも繰り返してくれる。しかも、現状の日本人選手ではできない高さのブロックを、である。そうした反復練習でアタック決定率を高めるのがブロックマシンの狙いだ。

 現在は「ナショナルトレーニングセンター」(NTC、東京都北区)*1にあるブロックマシン。NTCでしか使えないため「ブロックマシンがあるからNTCで練習したいという選手もいる」(同氏)ほど、選手は効果を実感しているという。

*1 ナショナルトレーニングセンター
スポーツ振興基本計画に基づいて、日本のトップレベルの選手の強化を図るためのトレーニング施設として2008年に開設された。正式名称は「味の素ナショナルトレーニングセンター」。