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2019年11月29日、オートメーションと計測の先端技術総合展「IIFES2019(Innovative Industry Fair for E x E Solutions、アイアイフェス)」の最終日午後に、大掛かりなテーマセッション「世界ものづくりフォーラム」が開催された。ドイツ、アメリカ、日本の政府代表者と各国を代表する企業が一堂に集い、「ものづくりのデジタル化」「製造業のイノベーション」をテーマに、ものづくりの最新の技術動向やユースケースを紹介する趣旨だ。3時間で7人のスピーカーが登場したセッションから、特に印象的だった経済産業省の中野剛志氏の講演を中心に紹介する。

2008年に時代が大きく変わった、
グローバル化やモジュラー化は過去の常識
経済産業省製造産業局参事官 中野剛志氏

経済産業省製造産業局参事官 中野剛志氏
経済産業省製造産業局参事官 中野剛志氏
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 むしろブレグジット(英国のEU離脱)やトランプ大統領の誕生は不確実性が高まった“結果"─。経済産業省(経産省)製造産業局の参事官で、デジタルトランスフォーメーション・イノベーションを担当し、ものづくり政策審議室長も務める中野剛志氏はそう話を切り出した。

 近年はウクライナ、北朝鮮、香港、イランなどで地政学リスクが表面化し、米中貿易戦争、ブレグジットなど、「従来は考えにくかった状況」が次々と起きている。そのため政府機関や国際機関で、「政策不確実性指数」「不確実性指数」が注目されているという。実は不確実性指数が上昇傾向に転じたのは2008年。トランプ大統領の選出より前、リーマン・ショックの頃に時代は大きく変わっていたのだ(図1)。

図1 不確実性指数は2008年を境に明らかに上昇している
図1 不確実性指数は2008年を境に明らかに上昇している
(出所:経産省、グラフは経済産業研究所伊藤新氏の資料より。データはEconomic Policy Uncertaintyの「Global Economic Policy Uncertainty Index」を利用)
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