全1655文字
PR
作品No. 005 企業名 小林製薬 大阪工場
作品名 ラクラク台車
・重い台車の発進をゼンマイでアシスト
・手元のスイッチで力の蓄積/開放を操作

 小林製薬の「ラクラク台車」は、手押し台車の発進を楽にするからくりだ(図1)。台車に重い荷物を載せて動かすには、発進時に人が大きな力で押し出す必要がある。そこで同社の大阪工場は市販の台車を改造し、この力を軽減する機構を考案した。具体的には、ゼンマイモーターに回転力をためる機構を台車の底面に取り付け、発進時にその力を開放して走り出しをアシストするようにした。

図1 小林製薬が出展した「ラクラク台車」の底部
図1 小林製薬が出展した「ラクラク台車」の底部
市販の台車にゼンマイモーター、電磁クラッチ、電磁ブレーキを取り付けている。(写真:日経ものづくり)
[画像のクリックで拡大表示]

 台車が運ぶのは、同社の清涼食品「ブレスケア」の製造に使うゼラチン材料だ。同工場の作業者は、この材料を運搬するため1日に2回ほど倉庫と工場の間を往復するという。運搬の際はゼラチンが入った袋10個ほどを台車に載せる。その質量は合計約200kg。台車を押して発進する作業に大きな力が要り、従業員の負担となっていた。

 考案した台車を使えば、作業者は専用のコントローラーのスイッチを操作するだけで、ゼンマイモーターの助けを借りて楽に発進できる(図2)。UPS(無停電電源装置)から電磁クラッチと電磁ブレーキに直流24Vの電源を供給し、ゼンマイモーターの入力や出力を制御する仕組みだ。

[画像のクリックで拡大表示]
図2 クラッチとブレーキを動かす仕組み
[画像のクリックで拡大表示]
図2 クラッチとブレーキを動かす仕組み
台車のコントローラー(a)と、配線図(b)。UPS(無停電電源装置)から、2基の電磁クラッチと1基の電磁ブレーキに電源を供給する。電磁クラッチはプッシュスイッチを押すと接続し、離すと開放する。電磁ブレーキはスナップスイッチを使うため、一度操作するとON/OFFの状態を保持する。(写真a:日経ものづくり、図b:小林製薬の資料を基に日経ものづくりが作成)