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 新型コロナウイルスの圧倒的な感染力の前に、私たちは慄くしかない。

 私が属している未来調達研究所は、サプライチェーン・調達領域のコンサルティングをなりわいとしている。そこで、1万3000社ほどの会員企業を対象として、新型コロナウイルスの影響に関する緊急アンケート調査を実施した。その結果、約88%の企業が「影響があった」と回答した。さらに、多くの企業は、状況が日々変化しているために影響を正確に把握できていないようだ。

 各社の状況については「国内の自社工場、協力会社工場共に生産再開の見通しが立っていない」「国内で生産していても部品は中国生産という製品が多数あり、それらの生産もストップしている」など、サプライチェーンの停滞や断絶を訴えるさまざま声が寄せられた(図1)。

図1 サプライチェーンの停滞や断絶を訴える声
図1 サプライチェーンの停滞や断絶を訴える声
未来調達研究所が約1万3000の会員企業を対象に、新型コロナの影響に関する緊急アンケート調査を実施。その調査に寄せられた会員の声。(出所:未来調達研究所)
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 一般に、調達先のリスクをヘッジする方法として、複数購買化(1社ではなく複数社から調達すること)や、代替先からの調達などが挙げられる。東日本大震災後も話題になった。

 しかし、実際のところ、複数購買化といっても全ての部材を二重化できるはずがなかった。製品開発において重複して試験が必要となったり、量産効果が得られなくなったりと、コストが見合わないケースがあるからだ。代替先からの調達についても、中国全体がまひしてしまった今、それは簡単な話ではない。

 複数購買化や代替先からの調達に関する課題については、「部品や金型の図面が中国にしかなく、代替生産すらできない」「代替が安易にできない基板実装部品などのめどがつかない」といった声があった(図2)。

図2 複数購買化や代替先からの調達に関する課題
図2 複数購買化や代替先からの調達に関する課題
(出所:未来調達研究所)
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