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「国内回帰といっても、頼るべき町工場が廃業している」「困ったからと言って頼りにされ、コスト増分は負担しろとは虫が良すぎる」─。アンケート調査の自由回答からは、現場からの悲鳴や不満の声が聞こえる。特に興味深い回答について電子メールで追加取材。製造業の最前線に立つ経営者や研究者、調達・購買担当者などの生の声を紹介する。

相次ぐ廃業で困難な
複数購買によるリスクヘッジ

材料・部品調達/複数購買/廃業

 当社では多品種少量生産の部材が多く、中小規模の機械加工会社に鋳物を支給し加工を発注している。今回の新型コロナウイルス感染症の流行で、中国からの材料や部品の調達ができなくなった。当社が発注する規模では優先順位が低いので、安定した納期を確保できない。

 「複数購買によるリスクヘッジが重要」という声があるが、日本国内の製造業では町工場の廃業などが相次いでおり、複数購買したくてもできない状況がある。既に4~5年前から経営者や職人の高齢化によって廃業を余儀なくされる会社が増えていた。副資材の治具なども廃業によって発注先が無くて困っている。こうした状況が、新型コロナによるサプライチェーンの停滞・断絶によって顕在化したと思う。

(産業用機器メーカー、ITシステムの企画・構築)

中国産の副材料の調達に不安
中国以外の国からの調達も検討

材料・部品調達/複数購買/副材料

 当社で生産している製品の原材料(化学品)は、国産メーカーから購入しており今回の新型コロナ流行とは無関係だろうと高をくくっていた。ところがその原材料の主原料ではなく、添加物として使用している副原料を調べたところ、中国産であると判明。当社が購入している原材料を、国産メーカーが生産するのに支障を来す可能性を危惧している。今のところ具体的な影響は出ていないが、例えば、タルク(フィルムやセラミックス、樹脂配合充填材などに使用する)は中国原産のものが多いようで調達に不安を覚えていた。

 結果的に船便の到着が少し遅れただけで済んだ。しかし、大幅に遅れた場合に備えて、国産、あるいは中国以外の国からの代替品の調達も検討していた。

(その他の製造業、経営)