
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るい、世界が深刻な事態に陥っている。製造業も例外ではない。「人」と「もの」の流れが止まり、需要が消え始めている。工場の稼働停止、材料や部品の供給網寸断、開発の停滞、発注のキャンセル─。国内外の製造業で今、何が起こり、企業はどのような対策を打っているのか。そして、どのような方向に進むべきなのか。現場への取材とアンケート調査を基に、製造業が進むべき指針を探る。
開発・生産・需要が止まる、製造業に緊急事態
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るい、世界が深刻な事態に陥っている。製造業も例外ではない。「人」と「もの」の流れが止まり、需要が消え始めている。工場の稼働停止、材料や部品の供給網寸断、開発の停滞、発注のキャンセル─。国内外の製造業で今、何が起こり、企業はどのような対策を打っているのか。そして、どのような方向に進むべきなのか。現場への取材とアンケート調査を基に、製造業が進むべき指針を探る。
Part1 影響 自粛が製品開発を止める
「間違いなく開発が止まる」─。2020年4月7日19時、日本政府が発令した「緊急事態宣言」で、製造業各社の新型コロナ感染症(以下、新型コロナ)対応はもう1段ギアを上げざるを得なくなった。
Part2 需要 消費回復は早くて9月
新型コロナの感染拡大による都市封鎖(ロックダウン)や消費者心理の悪化などによって、クルマの需要が「蒸発」している。需要はいつ回復し、いつ生産を正常化できるのか─。
Part3 対策止まらぬ感染、止まる工場
国内製造業の工場や事業所で操業停止のリスクが高まっている。新型コロナ流行が拡大する中、従業員の感染者が続出しており、感染封じ込めは難しくなりつつある。
Part4 調査 部品調達は国内回帰も
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、国内の生産拠点の部品調達が困難になっている。その対策として、日本国内での調達を検討している企業も目立つ─。日経ものづくりが2020年4月初旬に実施したアンケート調査「新型コロナの世界的流行が製造業に与える影響」では、こんな結果が出た。
Part5 現場 出荷困難から需要消失へ
「需要減少に不安を覚える」「テストに使用する部品を海外から調達できず、開発もままならない」─ 。アンケート調査の自由回答には、サプライチェーンの寸断の行く先に見える「開発ストップ」や「需要の減少」に不安を覚える声が目立った。