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事例9 超結合

企業名:三栄興業
原材料:ポリプロピレン、アクリル酸t-ブチル

 自動車のバンパーやコップなどの日用品、DVDのケースなど身近な製品で多用されている汎用プラスチックの1つポリプロピレン(PP)。比重が小さくて強度が高く、加工性も良いのだが、「接着性が低い」「塗装しにくい」という弱点がある。

 そんな弱点を補い、PPを異素材と接着しやすく、塗装しやすくするポリプロピレンアイオノマー*1を、三栄興業(千葉県柏市)が開発した(図1)。同社は、接着性を高める酸ブロック(酸の塊)をPP分子の末端に合成できるように反応性を高めた「両末端二重結合PP」を使い、接着性や塗装性の改善を実現している。

*1 アイオノマー
疎水性高分子に少量のイオン基を導入したもの。
図1 三栄興業が開発した両末端二重結合PP
図1 三栄興業が開発した両末端二重結合PP
粒子状にも(左)シート状にも(右)生成できる。(出所:三栄興業)
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