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前工程と後工程 

 材料噴射法では、造形ヘッドから噴射できる造形材料の量(積層高さ)に制限があり、積層厚さを大きくとれない。そのため、他の造形方法と比較して積層段差が小さくなり高精細で表面が滑らかなモデルを造形しやすい。立体モデルの構造にもよるが、髪の毛ほどの微細さも再現可能である。

 材料噴射法の特徴として、サポート部の付加があるかどうかで質感の差が大きい点が挙げられる。サポート部が付加されない面は光沢のある艶やかな表面となるが、サポート部を付加した面は少しざらつきのあるマットな表面となる。

 サポート部の付加が一様なので造形に失敗することが少なく、ユーザー側の習熟をあまり必要としない。しかし積層ピッチが細かいため、高さのある大形の造形では場合によって造形時間が数日に及ぶこともある。

サポート部の付加

 材料噴射法のアディティブ製造装置においては、ほとんどの場合、装置メーカーが提供するソフトウエアを利用する。このソフトウエアは、サポート部の付加と立体モデルの配置について自動で計算することができるため、ユーザー側の負担は軽い。

 サポート部は、基本的に空洞部分やアンダーカット部分の全てに付加される。このため、他のアディティブ製造装置と比較して材料費が高くなる傾向にある。ソフトウエア任せの配置では、サポート材の使用量やサポート部の付加面などの指定が思うようにいかない場合も多いが、積層方向(造形の向き)や複数同時造形時の配置などを工夫すれば造形時間の短縮や材料コストの削減なども可能である。

造形の向き

 サポート部を付加する部位とそうでない部位の質感が違う点と、造形の向きによって出力時間や造形材料の使用量が大幅に変わる(時間とコストに直接影響を与える)点が材料噴射法の特徴である。

 特に仕上がりにこだわりのない場合は、高さ方向を減らすべく立体モデルを寝かせる配置で造形する。材料噴射法の場合、造形の向きによる寸法精度の変化はほとんどなく、精度面の問題は発生しにくい。