機械加工を発注したい企業と、加工する工場との間に入って見積もりの提示や受発注手続きを手掛けるオンラインサービスが好調だ。「受発注プラットフォーム」などと呼ばれる仕組みで提供されるサービスは、見積もりや契約の手間が省け、調達リスクも減るとして、設計者や生産技術者、調達担当者らが活用している。一方、加工を受注する企業にとっても、新規顧客開拓や事業の安定化につながる。機械加工もネットで簡単に買える時代が到来しようとしている。

機械加工を発注したい企業と、加工する工場との間に入って見積もりの提示や受発注手続きを手掛けるオンラインサービスが好調だ。「受発注プラットフォーム」などと呼ばれる仕組みで提供されるサービスは、見積もりや契約の手間が省け、調達リスクも減るとして、設計者や生産技術者、調達担当者らが活用している。一方、加工を受注する企業にとっても、新規顧客開拓や事業の安定化につながる。機械加工もネットで簡単に買える時代が到来しようとしている。
Part1 総論
さまざまな商品・サービスがインターネットで買える時代となり、いまやカスタム部品の機械加工も例外ではない。そのためのサービスが、「受発注プラットフォーム」だ。3Dモデルや図面を登録すると、すぐに見積額を提示して加工を手配したり、加工してくれる工場を仲介(マッチング)してくれたりするサービスである。
Part2 ユーザーの視線
機械加工のマッチングやオンデマンド製造といった新たな受発注プラットフォームサービス。発注側・受注側の企業それぞれに、どのように利用しているかを聞いた。
Part3 注目のサービス 『meviy』(ミスミ)
「価格は必ずしも最安とは言いがたいが、納期が最短1日というスピードが評価されている」─。ミスミグループ本社(ミスミ)が2016年に提供開始した「meviy」は、機械加工部品の見積もり・発注業務の自動化・迅速化を狙ったオンデマンド製造サービス。見積もりから発注・加工・納品までをワンストップで請け負う…
Part3 注目のサービス 『CADDi』(キャディ)
部品単品の機械加工のみならず、装置の製作から組み立てまで、幅広い発注に対応するのが、キャディ(東京・台東)が展開する受発注プラットフォーム「CADDi」だ。
Part3 注目のサービス 『Kabuku Connect』(カブク)
「いわばCAMのような計算をシステムにやらせて見積額を算出している」─。カブク(東京・新宿)代表取締役CEO兼CTOの足立昌彦氏は、同社のWebでの機械加工の受発注プラットフォーム「Kabuku Connect」で提供する「即時見積サービス」について、このように説明する。
Part3 注目のサービス 『ファクトリーエージェント』(ファクトリーエージェント)
「新たな産業クラスターの構築を目指したい」─。ファクトリーエージェント(東京・中央)代表取締役社長に転じた上出武史氏はこう意気込む。同社は、大手企業、研究機関などと中小の加工会社、町工場を中心としたサプライヤーを「マッチング」するサービス「ファクトリーエージェント」(以下、FA)を提供する。
Part3 注目のサービス 『デジタルマッチングプラットフォーム』(NTT Com・PwCC)
NTTコミュニケーションズ(東京・千代田)とPwCコンサルティング(同)は、マッチングサービス「デジタルマッチングプラットフォーム(設計/調達DX)」を2020年中にも始める。開発設計の支援にも踏み込むのが特徴だ。
Part3 注目のサービス 『製造業受発注マッチングプラットフォーム』(NTTドコモ)
NTTドコモの「製造業受発注マッチングプラットフォーム」は、発注企業に対して受注企業の候補を複数提示するサービス(図)。マッチング機能に人工知能(AI)技術を活用した。2020年8月から、約70社の企業が参加するトライアルサービスを始めている。
Part4 数字で見る現場
認知度は8割を上回り、既に4分の1の企業が利用している─。日経ものづくりが2020年8月下旬に実施したアンケート調査の結果によると、機械加工の受発注プラットフォームは少しずつ、製造業の現場に浸透しつつあるようだ。特に、10個未満の小ロットや、試作・開発向けの製品で使われている。一方で、「製品の種類…